【声明】「2050年までに世界の原子力発電所の発電容量3倍」に抗議します-脱炭素の唯一の解は省エネ・再エネ
2023年12月7日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
11月30日から12月12日まで、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでCOP28(国連気候変動枠組上役第28回締約国会議)が開催されています(※1)。
開会3日目の12月2日、アメリカ政府が主導し、「2050年までに原発による発電容量を世界で3倍にする」という誓約を発表し、日本を含む21カ国が賛同しました。これに対し、日本国内外の10の環境NGOが抗議のための緊急共同プレスリリースを公表しました(※2)。その中では「原発は不安定で危険な上に経済合理性にも欠ける電源であり、ウラン採掘から運転、廃炉、核燃料の処分に至るまで環境を汚染し、人権を侵害する。気候変動対策にすべきではない」(FoE JAPAN)、「今直面している気候変動対策には何の役にも立たない。原発の導入までの間、既存の電源を延命させ、むしろ脱炭素を遅らせる。しかも、原発は気候変動に大きな脆弱性を抱えている」(原子力資料情報室)(※2,3)といった抗議の声が上がっています。私たち緑の党グリーンズジャパンは、これらの主張を全面的に支持します。
今年5月、政府はGX脱炭素電源法を成立させ、脱炭素政策の一環として原発回帰・再推進に舵を切っています。同法の成立直前に私たちも指摘したように、原発推進は脱炭素に何ら寄与せず、再エネの発展を妨げるものでしかなく、未来世代に対しても無責任極まりないものです(※4)。
「3.11」福島原発事故を経験した日本の私たちは、放射能災禍の惨さを思い知ったはずです。突然家と故郷を追われ、家族・地域と人間関係が分断され、12年を経過した今も不安を抱え深刻な暮らしを余儀なくされている避難者・被害者への賠償や支援は蔑ろにされています。
そのような状況の中で、原発推進はありえません。
国際社会に放射能汚染の実態や人びとと地域が被った災禍をありのままに報告し、原発からの撤退を呼びかけるべき日本政府が、COP28において原発容量を3倍へと加速させることに賛意を示したことに、私たちはあらためて強く抗議します。
緑の党は、世界の環境NGOや脱原発市民と共に、脱炭素政策の選択肢から原発を消し去り、省エネの拡大と再エネで100%の脱炭素社会をめざします。
※註
1:国立環境研究所COP28特説ページ https://www.nies.go.jp/event/cop/COP28/index.html
2: FoE Japanのサイト 「『原発による発電容量を世界で3倍』!?に抗議の声続々 緊急共同プレスリリース『原発は気候変動対策にならない』 」 https://foejapan.org/issue/20231202/15236/
3: 原発の気候変動脆弱性研究会報告書 原子力資料情報室 https://cnic.jp/50004
4: 声明「拙速な「原発GX法」制定にブレーキを!―原発事故や放射性廃棄物の課題を置き去りに、推進への方針転換はあり得ないー」 https://greens.gr.jp/seimei/33934/
PDFファイル:https://greens.gr.jp/uploads/2023/12/3f69c0ebc98dd50e6cc3df751aa787df.pdf
修正記録(2023.12.9)
件名・本文の「再エネ・省エネ」を「省エネ・再エネ」と修正しました。
本文「既存の電源の延命させ」を「既存の電源を延命させ」と修正しました。