【声明】国連気候野心サミットに向け、気候変動対策の抜本的強化とすみやかな脱原発をㅤ

【声明】国連気候野心サミットに向け、気候変動対策の抜本的強化とすみやかな脱原発をㅤㅤ

2023年9月13日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

ㅤ今夏は各地で観測史上最高の気温とされ、猛暑、水害、山火事などの気候関連災害が激化し、国内外で多くの命が失われ、温暖化は暴力的な形で地球全体を襲うようになっています。国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」として世界に警鐘を鳴らしています。

ㅤ9月20日には国連の「気候野心サミット」が開催されます。ここで2035年に向けた世界レベルの目標の合意を作ることがきわめて重要です。しかし、科学的に必要な対策に比べて政治的な国際合意は不十分であり、しかも日本は、その不十分な対策からも大きく後退しているばかりでなく、脱炭素に向けた国際努力に反する施策も進めています。

ㅤ日本政府はこれまでの気候危機対策を抜本的に転換し、劇的な強化を図る必要があります。COP26で強化された1.5℃気温安定化目標-危機を回避するためには本来、これすら不十分-の実現に向けたプロセスを確実に進めるために、「2050年温室効果ガス(GHG)実質ゼロ」を前倒しし、2030年の温室効果ガス(GHG)削減中期目標を大幅に引き上げて70%とするとともに、2035年の各目標も明示するべきです。

ㅤ脱化石燃料の早期実現に向け、既存の石炭火力発電の廃炉と新規建設の中止を前提とした全160基の2030年全廃、ガソリン車の新規販売の早期禁止、電力の脱原発化と再生可能エネルギーの割合の引き上げ(2030年75%、2035年100%)(※1)、カーボンプライシングの強化・前倒し、そして建築物断熱の推進なども、速やかかつ強力に進める必要があります。そして、今回の気候野心サミットに岸田首相自身が出席し、こうした具体的・野心的な目標と政策を世界に明確に示すべきです。

ㅤ また、脱炭素に向けた世界の市民・国家を超えた運動が高まりと広がりを見せる中、日本政府はこれと誠実に向き合い、海外の石炭火力発電建設支援など、環境を破壊し脱炭素にも逆行する施策をただちに中止するとともに、「化石燃料不拡散条約」策定運動(※2)や「ストップエコサイドキャンペーン」(※3)への賛同も明らかにすべきです。さらに、あらゆる気候対策の検討プロセスから、化石燃料産業の政治的影響力を排除することも重要です。

ㅤ 今回のサミットに向け、9月15日~18日にかけて、国内でも市民団体や自治体議員のネットワークが全国的にアクションを呼びかけています(※4)。私たち緑の党グリーンズ・ジャパンも、各地の行動に参加しながら、脱原発を前提とした自然エネルギー100%の社会、「気候正義」を実現する公正な社会に向けて、国内外の仲間と連帯し、声をあげ、行動を続けます。

ㅤ※註
1) G7各国の電力の中に占める自然エネルギーの割合については、たとえばカナダ76%、ドイツ48%などに対し、日本は22%で最低。日本以外のG7各国は、2035年に電源脱炭素化の目標を持つか、見通しを立てている。

2) フロンガスや地雷・核兵器禁止条約などの危険な物質を条約によって廃止に追い込んできた歴史を参考にして、既存の化石燃料生産廃止に向けて提案されている枠組み。エジプトで開催されたCOP27の首脳級会合において、ツバル共和国がその制定を各国政府に求める提言を行なっている。
参考:https://fossilfueltreaty.org/jpn

3) 生態系や環境を破壊する行為を「エコサイド」として、国際法で定める「平和に対する罪」に位置づける運動。すでにバヌアツ共和国も賛同を表明している。
参考:https://www.stopecocide.earth/(英文)

4) 国内では「ワタシの未来」が9月18日に全国パレードを呼びかけ(https://watashinomirai.org/20230918_nnnf/)、「気候危機・自治体議員の会」も15日を軸として庁舎前アクションを呼びかけている(https://is.gd/ajPL6n)。

ㅤ声明全文のPDファイル→ https://greens.gr.jp/upl.../2023/09/seimei_kokurenyashin.pdf