【声明】日本国憲法施行から 76年-平和と憲法を脅かす深刻な危機の中で、「緑の政治」の実現を-

【声明】日本国憲法施行から 76年

-平和と憲法を脅かす深刻な危機の中で、「緑の政治」の実現を-

2023年5月3日

緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 日本国憲法施行から76年が経ちます。ロシアによるウクライナへの一方的軍事侵攻から1年以上が経過し、今もこの戦争を止めることができない深刻な状況の中で、私たちはこの日を迎えています。

ウクライナの危機や中国・北朝鮮の「脅威」を理由に、岸田政権は「敵基地攻撃能力」保有などこれまでの「専守防衛」を完全に転換・逸脱する重大な内容となる「安保3文書」を閣議だけで決定し、これに基づき、大軍拡を推し進めています。憲法は今また大きな危機にさらされ、その理念は踏みにじられつつあります。

与野党や市民の中でも軍事力強化を推進・容認する声は強まっています。欧米諸国からの武器供与が、ウクライナ側の強力な抵抗力の基盤のひとつとなっていることは否定できません。その一方で、戦争は激しい相互の攻撃と紛争の長期化、多くの市民の犠牲、核戦争の可能性も含めた予測不能な事態をもたらしかねないことも明らかです。私たちは、この困難で深刻な現実の中で、戦争を終わらせ、平和を創り出す努力を重ねなければなりません。

日本国憲法の前文は、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持」するとし、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利」を高らかに謳っています。野蛮な暴力と悲惨な戦争を前にしても、それを日本の際限のない軍備増強の根拠にすべきではありません。むしろ憲法で謳う理念の実現に向けた努力こそが、日本政府にも、私たち市民にも、そして国際社会にも、強く求められています。

憲法では、「人類の永年にわたる自由獲得の努力の成果」とする基本的人権の重要性も謳っています。ウクライナ緑の党の仲間が昨年発したメッセージ(※1)においても、「命」「自由」の重要性に加えて、独裁がもたらす危険と「民主主義」の重要性を強く訴えています。民主主義や人権の保障こそ、平和を確立する基礎となるものです。

今この瞬間にも、ウクライナだけではなく、ミャンマー(ビルマ)、香港、中東地域やアフリカなどで多くの市民が紛争や人権弾圧の犠牲になっています。気候変動と感染症の拡大も、世界の人々の命と暮らしを脅かしています。これらと対抗する平和で公正・透明な社会の実現-日本国憲法とも共通する「緑の政治」の理念の実現に向け、私たちはこれからも全力を尽くします。

  1. タスマニアン・グリーンズ50周年に寄せたウクライナ緑の党からのメッセージ
     (2022年3月17日)https://greens.gr.jp/world-news/31436/

PDFファイル→ https://greens.gr.jp/uploads/2023/05/seimei_kenpo.pdf