【報告】国連気候野心サミットに向けた政府の対応についての申し入れ
【報告】国連気候野心サミットに向けた政府の対応についての申し入れㅤ
-気候変動対策の強化と脱原発を-
報告:緑の党共同代表 尾形慶子
ㅤㅤ9月20日に開かれる国連の気候サミットは「野心サミット」です。グテーレス事務総長が呼び掛けたのは、1.5℃目標が危うくなっているから、地球が「沸騰」しているからです。先進国はこれまでのCO2削減目標(国別貢献、NDC)を「野心的」に引き上げなければなりません。9月8日、私たち緑の党グリーンズジャパンは日本政府に対して、「野心的」な気候変動対策と脱原発を求めて交渉しました。
ㅤこの交渉は、吉田はるみさん(緑の党のサポーター、立憲民主党衆議院議員)が環境省・外務省・経産省から申し入れに回答するよう設定してくれたものです。しかし回答は、日本が世界に果たすべき役割には程遠いものばかりでした。
申し入れ書のPDFはこちら↓↓↓
https://greens.gr.jp/uploads/2023/09/mousiire0908.pdf
- 岸田首相はもちろん「野心サミット」に出席し、「野心的」な気候変動対策を表明するべきです!
こともあろうに、岸田首相は昨年開催されたCOP27に欠席し、気候変動対策に対する意思を示すことに失敗しました。今年のG7広島サミットでも、G7合意を後退させました。外務省からは、「諸般の事情が許せば首相も出席する」と熱意のない回答でした。 - 2030年までに温室効果ガスを70%削減(2013年比)」を求めます!
(1)現在の日本の目標「46-50%削減(2013年比)」では、他の先進国と比べても見劣りし、気温上昇1.5℃に抑える目標からすると、日本は世界の足をひっぱっていると言わざるを得ません。
(2)国連事務総長の求める「2030年までに石炭火力発電をゼロ」について、自然エネルギー庁は、「石炭火力への依存を下げる」とは言いつつも、水素・アンモニア混焼やCCSによる石炭火力延命の立場を変えていません。
(3)カーボンプライシングについて、経産省は2026年に排出権取引の本格導入、2028年に炭素賦課金の開始を予告したことは評価できますが、CO2大幅削減を目標にする2030年にはおよそ間に合いません。早急に実施方法をまとめ導入を前倒しするべきです。また、プライシング財源を民主的に活用する議論をすべきです。
(4)建築物断熱について、環境省はZEB・ZEH義務化の前倒しに前向きでした。
(5)私たちは、再生可能エネルギー電力の割合75%以上、原子力発電ゼロを要求しています。しかし、自然エネルギー庁は、第6次エネルギー基本計画の2030年電源ミックスのとおり、原発20-22%まで増やす立場を変えていません。
(6)私たちは、ハイブリッド車を含むガソリン車の販売禁止を求めました。しかし、経産省自動車課は、2035年に「ガソリン車でない電動車100%」と言いつつ、この中にハイブリッド車を含むことを変えていません。電気自動車充電インフラの整備などにたった200億円しか計画していないことは驚きです。 - 2035年は再エネ100%を目標に!
(1)G7サミットは、2035年までに発電部門の完全なあるいは、おおむねの脱炭素化を約束しました。日本は「おおむね」と言わず、再エネ100%をめざすべきです。 - 途上国に対する支援について
気候変動の責任のほとんどない途上国が、大きな損失と被害を受けるのは「正義」に反します。日本は、気候資金への貢献を誠実に積み増す意思を表明すべきです。
にもかかわらず、日本政府は、気候対策に逆行する支援をしようとしています。エジプトの空港拡張、バングラデシュの石炭火力発電建設支援などです。支援は、省エネと再エネを進めることに限定すべきです。 - 化石燃料産業のロビイストを排除すること
私たちは、化石燃料の規制を議論する審議会に、規制される立場の製鉄会社や発電会社の関係者が入り込まないように要求しました。
国連気候野心サミットに圧力をかけようと、世界中で気候アクションが行われます。日本でも、気候危機・自治体議員の会が9/15(金)の庁舎前アクション、ワタシのミライ/さよなら原発1000万人アクションなどが9/18(月・休)全国一斉気候アクションを呼びかけています。緑の党グリーンズジャパンのメンバーも全国で取り組みます。大きな声をあげて行きましょう。
【イベント】9月世界気候アクションにご参加を!