【談話】国の強権と司法の追随は認められない-沖縄辺野古基地問題「代執行」裁判にあたって-
【談話】国の強権と司法の追随は認められない
-沖縄辺野古基地問題「代執行」裁判にあたって-
2023年10月31日
緑の党グリーンズジャパン 共同代表 中山均
沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事について、防衛省の設計変更を「不承認」とした沖縄県が敗訴となった最高裁判決を受け、国が代執行を求めて訴えた裁判の第一回口頭弁論が昨日、福岡高裁那覇支部で開かれました。
玉城知事は意見陳述に立ち、「県民の民意こそが公益と認められるべきで、県の自主性を侵害することになる代執行は到底容認できない」と訴えました。しかし、裁判は即日結審となり、司法はこれ以降の実質審議を不要と判断したことになります。
私たちはすでに、国の強権的な姿勢や最高裁判決を強く批判し、抗議してきました(※1)。今回も、最高裁判決をただただ振りかざし、沖縄県が求める対話を拒絶し、本来「それ以外の方法」を尽くした末の特殊例外的な「代執行」を強硬に推し進める政府と、国に追随する司法の対応に対して、あらためて強く抗議します。
今回、裁判期日を前にした10月28日には、玉城知事を支持する沖縄の市町村県議約60名が知事への「最大の連帯と支援」を表明する声明を公表し、「地方自治侵害への抗議とその危機を全国に表明する」と強く訴えました(※2)。また、私たち緑の党所属の議員も多数参加する「平和・⽴憲・⼈権をつなぐ全国⾃治体議員会議」も29日に声明を公表し、「政府に対し、⼀連の対応に重ねて強く抗議するとともに、代執⾏提訴を取り下げることを求め、基地問題での対話の場を設けるよう、強く要請」する旨訴えました。(※3)私たちは、これらの訴えに全面的に賛同するものです。
高裁判決は近いうちに下される見込みです。沖縄へのこれ以上の基地負担は、許されません。国は提訴を取り下げ、沖縄と真摯に対話すべきです。それを促す世論を高めていくためにも、沖縄は、私たちを含む「本土」側の市民の声と行動を求めています。私たちは、沖縄県民を代表して国と対峙する玉城知事と、玉城知事を支援する沖縄と全国の自治体議員の行動を支持し、全国各地で声を上げます。そして、私たちひとりひとりがこの問題に向き合い、平和で人権が大切にされる公正な社会に向けて、日本の政治を転換していくこと、そのため地域から行動し声を上げていくことも、あらためて決意します。
※
- 緑の党グリーンズジャパン運営委員会論説「沖縄辺野古新基地問題裁判-最高裁判決は地方自治を蹂躙するもの」(2023年9月11日) https://greens.gr.jp/seimei/34827/
- https://www.youtube.com/watch?v=zJL3YE9Syzg 参照
- 平和・⽴憲・⼈権をつなぐ全国⾃治体議員会議声明「沖縄の民意こそ尊重されるべきもうひとつの『公益』-政府は辺野古基地建設問題をめぐる代執行提訴を取り下げ、沖縄県と真摯に対話せよ」(2023年10月29日) https://onl.sc/h4Jpc2z
全文(PDF)→https://greens.gr.jp/uploads/2023/11/9f8ac5906c7913a4d08b67ed52961c14.pdf