【世界のみどり】台湾第四原発、国民投票のゆくえ

台湾第四原発(Wikipediaより)

台湾第四原発(Wikipediaより)

 

国際担当運営委員 松本なみほ


7月30日~31日にかけ、故 陳 炯霖(ダン・ギンリン)さんの葬儀に参加するため台湾に向かいました。
これまでダンさんと共に活動してきた方々が大勢あつまり、台湾緑の党のシナン・マヴィヴォさんとも再会しました。
彼の早すぎる死を悼むと共に、ダンさんが取り組んできた第四原発反対運動、脱被曝運動を続けていこうと誓い合いました。

以下に台湾第四原発の状況の報告をさせていただきます。

■台湾第四原発とは・・・
東芝・日立の原子炉、三菱のタービンを備えた日本初の輸出原発。
台湾の首都台北(タイペイ)から北東に約40Kmの貢寮(コンリャオ)に1966年から計画されましたが、地元や国民の反対運動により何度も工事が中断されてきました。1100件にのぼる無許可設計変更、中央制御室からの出火など、様々な問題が浮上し、2012年3月末「台湾電力が、相次ぐ工事上のトラブルの自力解決を断念、日立製作所など日米の原発関連企業に全面支援を求めている」と報じられています。

■国民投票のゆくえ
2013年2月25日、行政院長(台湾での首相に当たる役職で、総統が直接任命)が 建設の是非を問う国民投票を8月に行うと発表しました。台湾の国民投票は 「公民投票」と呼ばれ、「全有権者の過半数以上が投票すること」「投票した人 の半数以上の賛成」の2つが揃う必要があります。

第四原発を推進したい馬 英九(マー・インチウ)総統、と江宜樺行政院長は、 国民投票を「第四原発建設に反対することについて」是非を問う形をとるとしました。
この発表を受けて、第四原発建設の反対を掲げる市民は、2013年3月9日に10万人を超える大規模デモを起こしました。このデモはモデルで女優のリン・チーリン(林志玲)さんが呼びかけ、台湾で活躍中の俳優、映画監督らが参加したことで話題になりました。

8月2日、台湾の立法院(国会)で国民投票の採決が予定されていましたが、与野党議員が乱闘となり、採決は延期されました。

8月22日、建設反対の民進党議員が夜市(台湾の都市部では夜に出店が並び、多数の市民がくりだす)で若者と共に第四原発反対のアピールや対話を行うと発表しており、今後も国民投票についての攻防が続くようです。

引き続き台湾の第四原発についての動向に注目していきたいと思います。
(報告:緑の党グリーンズジャパン運営委員 松本なみほ)

参考資料
ウィキペディア:台湾第四原子力発電所 http://p.tl/t1Mf
IDE JETRO 海外レポート:台湾:第4原発に関する国民投票は実施されるのか? http://p.tl/1_Mn
HUFF POST :台湾 原発の是非を問う国民投票をめぐり議会で乱闘 【動画】http://p.tl/cZXY
TAIPEI TIMES : DPP plans night market campaign http://p.tl/Pabi