6月8日に投開票されたイギリスの総選挙。
EU離脱を問う2回目の国民投票や社会福祉の拡充を掲げたイギリス緑の党は、唯一の下院議員キャロライン・ルーカス氏(写真)が1議席を守ったものの、得票率は1.6%と前回より2.1%下回る結果となりました。しかし、この結果は、「新しい政治の夜明け」と呼ぶにふさわしいものだと、イギリス緑の党はとらえているようです。
得票率、議席数ともに大幅に増やしたのは、イギリス緑の党と同じく、社会福祉の充実を訴えるジェレミー・コービン氏率いる労働党。イギリス緑の党は、労働党、自由民主党などと「進歩同盟」を組み、激戦区においては緑の党の候補者を立てず、進歩同盟の候補者を勝利へと導きました。保守党から多くの議席を奪ったこの同盟への貢献によって、ルーカス氏の下院における影響力は、以前より大きなものとなり、今後、イギリス緑の党が訴え続けている比例代表制導入などの選挙制度改革への動きが始まることも期待できそうです。
イギリス緑の党の今回の選挙での成果は、次の選挙においてさらなる緑の党国会議員の誕生につながり、それはイギリスの政治改革への原動力となるでしょう。
どの政党も過半数を取ることができず「宙づり議会」となったイギリス国会。次の選挙は、数ヶ月後なのか5年後なのか、現時点ではまったく分かりませんが、イギリス版「野党共闘」とも言える「進歩同盟」の展開と、今後のイギリス緑の党の動きに注目です。
参考サイト
■イギリス緑の党公式サイト
https://www.greenparty.org.uk/
■Progressive alliances are the future of British politics
Caroline Lucas the guardian
https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/jun/10/progressive-alliances-future-of-british-politics
■General election 2017: Green Party promises second referendum on final Brexit deal
THE INDEPENDENT
http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/green-party-caroline-lucas-promises-second-brexit-referendum-general-election-2017-a7711876.html
■イギリス総選挙2017結果-BBC
http://www.bbc.com/news/election/2017/results