【談話】 東京都知事選の結果を受けて
【共同代表談話】 東京都知事選の結果を受けて
2014年2月12日
緑の党グリーンズジャパン共同代表
すぐろ奈緒 橋本久雄 長谷川羽衣子 中山 均
今回の東京都知事選にあたり、私たちは、緑の党の理念や政策が基本的に合致する、との観点から宇都宮けんじさんを応援しました。若者や女性、お年寄りなど多くの都民が切実に望んでいる都政への転換を訴える宇都宮候補の政策は、前回より16%もの投票率の低下にもかかわらず、支持を広げることができました。しかし力及ばず、政権与党の推す舛添要一氏の当選、宇都宮さんの次点という結果でした。
この結果を受けて、安倍政権は原発の再稼働をはじめ、憲法改正や集団的自衛権の行使などに向け、一層強引な政権運営を進めようとしています。
しかし、原発が最大の争点とはならない中で、宇都宮さんと細川護煕氏を合わせた脱原発票193万という結果は、私たちが訴えた「脱原発候補の得票が原発推進候補を圧倒的に上回り、脱原発と暴走する安倍政権をストップさせる」という目標の実現には至らなかったものの、有権者の半数近くが「脱原発」を選択するという結果が示されたものと考えます。また、投票者の2割が環境重視・雇用・福祉・平和などを訴えた宇都宮さんを支持したことも、大きな成果であったと考えます。
同時に、切実な暮らしや雇用の問題を抱えている多くの人々が政治から遠ざかり、投票にすら向かわないという現実は、私たちにとっても重要な課題です。福祉や雇用や安定した暮らしを本当に必要とする人々に寄り添い、私たちの訴えや政策を丁寧に届けていく必要があることを、この選挙結果は示しています。
また、今回の選挙では、告示直前に「脱原発」を掲げて立候補を表明した細川氏に、脱原発運動に関わる市民などから大きな期待が寄せられ、宇都宮さんとの「一本化」を望む声も高まりました。しかし、政策協議の場も政策討論会すら行なえない状況で統一は困難でした。大きな目的に向けた広範な連携の重要性、譲れない基本理念や政策との整合性、そして大胆な政治的行動の必要性と緑の党の役割-これらの課題も、今回の経験から学ぶべきものと考えます。
私たちは決してあきらめません。この都知事選挙では多くの市民が政治を変えるために動きました。子どもたちや若者が希望を持てる東京、持続可能な東京の姿を、かつてないほど多くの人たちが同時に思い描いた選挙だったからです。今回の経験に学び、安心して暮らせる東京と日本の未来に向けて、活動を拡げ続けていきましょう。