【談話】 名護市長選の結果を受けて
【談話】 名護市長選の結果を受けて
2014年1月22日
緑の党グリーンズジャパン共同代表 中山均
去る19日に投開票された名護市長選挙は、辺野古基地建設に反対する稲嶺進氏が当選しました。
自民党政府はこれに先立ち、「2021年度まで毎年3000億の沖縄振興策」(注)をはじめ、さまざまな圧力で仲井間知事と自民党沖縄県本部を屈服させ、さらに選挙中には「名護振興資金500億円」(石破自民党幹事長)という露骨な誘導もおこなおうとしました。
しかし、保革を超えた市民・県民が稲嶺氏を支援、自民党方針に反発する沖縄の公明党も自主投票で対応し、平和を求める国内外の世論が移設建設反対の声を後押ししました。選挙直前には、映画監督のオリバー・ストーン氏や哲学者・言語学者のノーム・チョムスキー氏など、米国やカナダなどの著名な文化人らによる「沖縄への新たな基地建設に反対し、平和と尊厳、人権、環境保護のために闘う県民を支持する」との声明も発表され、国際的にも注目が高まっていました。
稲嶺氏の当選で、沖縄の基地強化や辺野古の貴重な自然破壊に対する市民・県民の明確な「ノー」の意思があらためて明らかになりました。
この市長選の勝利は、オスプレイ配備や日米安保体制強化と軍事力拡大、特定秘密保護法などに対する沖縄と全国の反対運動の高まりの延長線にもあります。
沖縄県内では、本年11月の知事選をはじめ、今後も各地で自治体選挙が予定されており、日米両政府はさらに強い圧力を加えてくるでしょう。しかし沖縄県民世論は、引き続き普天間基地の返還、県外・国外移設を求めており、アメリカや日本政府が沖縄をこれ以上、植民地や軍事戦略の駒のように扱うことは、日本国憲法やアメリカ独立宣言、世界人権宣言の理念にも反するものです。
日米両政府は、やがて20年が経とうとするSACO合意(1996年)で確認された「普天間基地全面返還」をただちにかつ無条件で実現させるとともに、辺野古基地建設計画を撤回しなければなりません。
また、沖縄の基地負担、差別や抑圧と分断の現実を受け止め、幾度も示される沖縄の民意と真摯に向き合い、国内外の平和のために確固とした意思をもって米国と交渉することのできる国へと政治を建て直して行くことが、私たちも含めた「本土」の市民の責務であると確信します。
私たちは、沖縄をはじめ全国・世界の平和を求める人びととともに、基地の無い平和な沖縄と日本、対岸諸国との平和と安定・共存を目指し、声を発し、行動していきます。
注)「3000億円」は、実際には大田県知事時代の4700億円よりも少なく、2014年度分は那覇空港拡張や沖縄科学技術大学の大学院拡充など国の事業も含まれての額であり、真の「振興策」と言えるか疑問。
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