【声明】シリア問題-緊急に必要なのは全ての軍事行動の停止と一般市民の保護

【声明】
          
シリア問題-緊急に必要なのは全ての軍事行動の停止と一般市民の保護

                                                                               2013年9月6日 緑の党・運営委員会

  8月21日、化学兵器によって多くのシリア市民の命が奪われ、アメリカなどがこれを政権側の使用であると断定し、シリアへの軍事攻撃を準備しています。

  一方で、英国はシリアへの軍事介入を断念しました。EU(欧州連合)も軍事介入に反対し、政治解決を求める立場を明らかにしています。国連の検証や合意に基づかない、そして事態の解決にはつながらない軍事攻撃に、私たち緑の党も強く反対します。

  また、自国民に対して国際人道法違反の戦争犯罪を続けてきたシリアのアサド政権、残虐行為を重ねた反政府武装勢力、そしてそれぞれの勢力を支援して来たロシアと欧米各国の責任も重いものがあります。全ての当事者と各国がそれぞれの思惑や利害ではなく、内戦の停止に向けて努力し、ICC(国際刑事裁判所)への付託や国連安保理および加盟国が真摯に議論、行動することが重要です。こうした問題の解決に向けた国際的な枠組みの強化も必要です。

  同時に私たちは、シリアの人々が置かれた深刻な状況に目を向けなければなりません。
 これまでの内戦によって、すでに600万人以上(人口約2100万人強)のシリアの市民が住む場所を離れ、国内外で難民化しています。しかし、紛争に関わる国々は、互いに非難の応酬を重ねる一方で、こうした一般市民の保護には関心が低く、その結果、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)などの国際機関や国際人道団体は十分な財政的基盤がないまま、困難な活動を余儀なくされています。

 今回、アメリカの軍事攻撃の意思に一定の理解を示した安倍政権の対応は、思慮の浅いものだと言わなければなりません。日本を含む国際社会にとって今緊急に必要なのは、紛争停止への努力と同時に、UNHCRや国際人道団体への支援、シリアと国境を接する国々の難民受入への支援、紛争により危険・困窮状態に陥った地域の市民への支援など、「シリアの一般市民の保護」という観点からあらゆる方策を追求することだと、私たちは強く訴えます。

 

PDFファイルはこちら