【談話】婚外子差別違憲の判決を受けて―多様な家族の在り方を実現する一歩に

【談話】

    婚外子差別違憲の判決を受けて―多様な家族の在り方を実現する一歩に

                                                2013年9月5日
                                     緑の党共同代表 長谷川羽衣子

 9月4日、115年続いた婚外子(非嫡出子)の相続差別を違憲とする判断を最高裁判所が下しました。欧米をはじめ各国で旧来の婚姻・家族制度の見直しが進み、多様な家族の在り方が法的にも認められるなか、日本でもようやく個人が尊重される社会に向けて一歩前進したと言えます。

 最高裁は「婚外子の増加のほか、晩婚化や非婚化、少子化、子を持つ夫婦の離婚の増加などで、結婚や家族の在り方、それに対する国民の意識が大きく多様化した」と指摘し、「父母が婚姻関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきである、という考えが確立されてきている」と明言しました。

 欧米では60年代から婚外子差別の撤廃が進められ、中国は80年に、そして韓国でも90年に法改正がなされました。しかし、日本では96年に自民党の反対で法改正が見送られるなど差別を放置し、国連から10回もの是正勧告を受けて来ました。現在、主要国で差別規定を残しているのは日本だけであり、ようやく個人の尊重という国際社会の流れに沿った判断が行われたものと評価できます。政府自民党は、違憲判決を受けて速やかに民法改正を進めるべきです。また、婚外子差別の他にも夫婦別姓や同性婚など、家族・ジェンダー関連で解決が妨げられている問題は山積しています。私たちは個人の尊重を踏まえ、多様な家族の在り方が法的にも認められる社会の実現に向けて、これらの問題に取り組んでいきます。