【緊急声明】原子力規制委員会の最悪人事案の白紙撤回を求めます
【緊急声明】原子力規制委員会の最悪人事案の白紙撤回を求めます
2012年7月29日 緑の党
9月に発足する原子力規制委員会の国会同意人事案が発表されました。信じられないことに、5 人中、3 名が「原子力ムラ」、1 名が官僚 OB です。初代委員長候補は、これまで原発推進を担い続けてきた日本原子力学会の元会長であり、「原子力ムラ」の中心人物である田中俊 一氏です。現在、福島県除染アドバイザーを務める田中俊一氏は、年間 20 ミリシーベルトという危険な避難・帰還基準を支持し、被ばく限度量に対しても楽観的な発言を行ってきまし た。「避難より除染ありき」の立場から、自主避難者に賠償を認める方針に異を唱え続け、東京電力の賠償軽減にも貢献している人物です。このような福島原発事故から何も学ばない人事をわたしたちは、絶対に認めるわけにはいきません。
そもそも原子力規制委員会は、原子力規制行政としてまったく機能してこなかった原子力安全委員会(内閣府)、原子力安全・保安院(経産省)、放射能モニタリング部門(文科省) を統合した組織として、「原子力ムラ」の影響を排除し、1利用と規制の分離、2原子力安全規制に対する国民の信頼の回復を目的として作られることになったはずです。「原子力ムラ」 の中心人物たちに、「規制」を担当させるこの人事は、利用と規制の一体化でしかなく、透明性も中立性も風前の灯です。しかも原子力規制委員会は、独立委員会であるため、任期中は、 委員をやめさせることが困難です。これでは、政府は「原子力ムラ」の再興を目指している としか考えられません。このような人事が、首相官邸前や代々木公園に集まる 10 万人規模の 人々をはじめ、全国各地で脱原発を求める市民の声、そして何より福島県民の苦しみに対す る政府の回答なのでしょうか。福島原発事故は、発生からたった1年半で、すでに忘却の彼方だというのでしょうか。
わたしたち緑の党は、経済成長のみを追い求め、民主主義も環境も二の次にし、矛盾を地方 に押し付けてきた結果、行き着いてしまったのが福島原発事故だと考えます。もう政府や政党にお願いするのではなく、わたしたち自身の手で政治を担い、市民とともにオルタナティブな社会を作り出そうと昨日 7 月 28 日に結成しました。そんなわたしたちにとって、原発事故から何も学ばず、人々の声を無視し、東京電力と「原子力ムラ」が支配する社会へ戻すような今回の原子力規制委員会の人事案は、絶対に認められるものではありません。
今すぐ、細野豪志原発担当大臣は、この人事案を白紙撤回し、公正な適任者に差し替えるべ きです。わたしたちは、野田政権に対して、原子力安全行政に対する人々の不信を払拭し、 脱原発への道を確実に歩みだす事を要求します。