【声明】原発震災から2年―福島を忘れず、一日も早い全原発の閉鎖を

  【声明】原発震災から2年―福島を忘れず、一日も早い全原発の閉鎖を

2013年3月8日 緑の党運営委員会

    東京電力福島原発事故から2年。事故は収束からほど遠く、現在でも16万人以上の人びとが避難を余儀なくされています。避難した人びとも、留まった人びとも、放射能の影響や将来の生活に大きな不安を抱きながら、見通しの立たない日々を送っています。

     安全性が十分確保されないまま原発の運転を強行し、多くの人びとの健康と財産に被害を及ぼし、多大な精神的苦痛を与えた国と電力会社・原発メーカーは、事故の責任を問われなければならないはずです。 ところが、自民党安倍政権は、原発再稼働は言うに及ばず新規建設と輸出すら進めようとしています。これは今も放射能の影響に苦しむ人びとに、二重の苦しみを与えるような仕打ちです。

     今、決断すべきなのは全原発の閉鎖であり、核燃料サイクル事業の放棄です。その決断をしてはじめて、これまで目をそらしつづけてきた使用済み核燃料や、福島原発事故によって生じた放射性物質の処理・処分に関する議論をはじめることができるのです。既に破たんした原発や核燃料サイクルにしがみつく政府の方針は、ブレーキの壊れた車のアクセルを踏むようなものであり、福島原発事故を起こした反省も、そこから得た教訓を生かそうという姿勢も全く感じられません。必要なのは、再生可能エネルギーと「節電所」(※)を軸とした新しいエネルギー政策の育成に資源を投じ、持続可能な社会や経済を創造することなのです。そして、福島原発事故の被害を受けた人びとに長期的な支援を行うとともに、原発に依存させられた立地自治体の財政や雇用の問題を解決して行かなくてはなりません。

     福島原発事故をきっかけに、昨年7月、私たちは緑の党を結成しました。世界90カ国に広がる緑の党は、その誕生以来一貫して反核・反原発を貫いてきました。ドイツでは反核・反原発のデモに参加した数多くの人びとが、緑の党を通じて政治に挑戦し、ついに脱原発を実現したのです。私たちも、福島原発事故で心身の健康や財産に被害を受けた方々の気持ちに寄り添い、二度と原発事故がくり返されないためにも、7月の参議院選挙にチャレンジします。

 政党や市民の枠を超え、力を合わせ、私たちの行く手を阻む壁を、ひとつひとつ打ち破って行きましょう。

※効率的なエネルギー利用を可能とするさまざまな制度・技術の総称。エネルギー需要に対して供給源を拡大するのではなく、需要を無理なく抑えるための制度・技術・市場メカニズムも含めた新しい概念。