【声明】ガソリン補助金ではなく、EVや公共交通へのシフトと再生可能エネルギーへの転換を

【声明】ガソリン補助金ではなく、EVや公共交通へのシフトと再生可能エネルギーへの転換を
2026年9月16日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
政府は、9月1日、ガソリン価格を1リットル170円程度に抑えるため、6,160億円の予備費支出を閣議決定しました。
しかし、ガソリン価格抑制のための補助金は、ロシアのウクライナ侵攻以後、2025年末ですでに約8兆円にものぼります。さらにガソリンの暫定税率が廃止され、いったん終了した補助金を、中東情勢の悪化で今年3月から再開し1兆800億円を投入、それをさらに継続しようとするものです。
◾️CO2削減に反するばかりか、価格抑制効果も疑わしい
しかし、この夏、かつてない酷暑を経験したこの世界で、CO2削減の急速な推進が求められている気候危機の真っ只中において、CO2排出の元凶であるガソリン車への優遇措置を続けることは、根本的な解決になりません。
中東情勢は、いつ解決するのかわかりません。日本は原油の大部分を中東から輸入しており、海外の紛争や地政学リスクに大きく左右されます。巨額の税金を投入してガソリン価格抑制対策を続けるとしたら、日本は政府が率先して地球温暖化を加速させることになってしまいます。
しかも、日本国内のガソリン価格は、原油価格だけでなく円相場にも左右されます。原油をドルで輸入する日本にとって、円安が進めば輸入価格はさらに上昇します。放漫な財政運営への懸念が強まって円安がさらに進めば、ガソリン価格を抑えるためにまた巨額の財政支出が必要になるという悪循環にも陥りかねません。
さらに、ガソリン補助金は消費者に直接給付されるのではなく、石油元売会社などを通じて価格を引き下げる仕組みです。巨額の公金を石油業界に投入する一方で、石油大手が大きな利益を上げている(※1)という現状に対しては、補助金が実際の価格引き下げにどれほど効率的に反映されているのか、厳しく検証する必要があります。また、場当たり的なガソリン補助政策は、2050年に化石燃料の採掘を停止している必要のあるパリ協定にも適合しません。
緊急かつ当面の対策なら、一律の補助金ではなく、たとえばガソリン価格高騰で打撃を受けている訪問介護事業者やバス減便を強いられている事業者などに的を絞った支援を行うべきです。
◾️EVにシフトするチャンス
今回の6,160億円だけでなく、これまでの累計で約10兆円という金額は、決して小さくありません。 この巨額の財政支出を、化石燃料の価格補填ではなく、「EV(電気自動車)の劇的な普及促進」と「充電インフラ整備」へこそ振り向ける大きなチャンスと捉えるべきです。
たとえば、1台あたり50万円のEV購入補助金を支給する場合、今回の6,160億だけでも約123万台分の購入支援が可能です。あるいは、地方の道の駅や高速道路、集合住宅への急速充電器設置(1台数百万円~)に充てれば、日本全国の充電インフラを一気に世界トップレベルへ引き上げることができるでしょう。
また、EUが導入しているように、自動車メーカーにEVの新車販売比率を実質的に義務付ける等の規制も急務です。
ガソリン代に悩む市民に対して「ガソリンを数円安くする」のではなく、「ガソリンを使わない選択肢を容易に入手できる」ことを示す政策こそが、最も直接的で説得力のある支援です。
海外に目を向ければ、すでにその根本解決への道を歩んでいる国々があります。ウクライナ侵攻などを契機に、欧州諸国や中国などは化石燃料への依存を激減させ、EVシフトと再生可能エネルギーの導入を爆発的に加速させました。EVと再エネをセットで普及させ、また公共交通への支援を強化することは、戦争や原油価格、為替相場に左右されない「エネルギー自給国」をつくり、「再エネで発電し、EVで走る」あるいは「車に乗らなくて済む」脱炭素社会へのステップになるはずです。
緑の党グリーンズジャパンは、巨額の公金を化石燃料の一時しのぎとCO2排出に使うのではなく、EVの推進と再エネシフト、公共交通の強化という「未来への投資」に集中投下することを強く求めます。
※註
1:石油大手3社の2026年3月期の純利益は、前年に比べてENEOSが14.4%増、出光興産が65.2%増、コスモエネルギーホールディングスが28.4%増
声明全文(pdf)→ https://greens.gr.jp/uploads/2026/09/S_EV.doc

