【声明】ネパール大土石流被害への哀悼と連帯の意を示します-「気候正義」に向け、2050年を待たない速やかなカーボンニュートラルの実現を-

【声明】ネパール大土石流被害への哀悼と連帯の意を示します
―「気候正義」に向け、2050年を待たない速やかなカーボンニュートラルの実現を―

2026年9月7日 緑の党グリーンズジャパン運営委員会

8月末、ネパール北東部で発生した大規模な洪水・土砂災害により、多数の尊い人命が失われ、壊滅的な被害が生じました。亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表すとともに、被災された皆様、ご遺族の方々にお見舞いと連帯の意を示します。

1. 被害の現実と「気候正義」の視点
今回の土石流災害の契機となった氷河や岩盤の崩壊について、その原因あるいは背景に、異常気象や温暖化があることはほぼ疑いありません。

ネパール政府は、深刻かつ大規模な被害を前に「援助でなく正義と補償を」 と国際社会に訴えています(※1)。

ネパールの年間温室効果ガス(GHG)排出量は約4,000〜5,000万トン(CO2換算)であり、世界全体の約0.08(0.1%未満)にすぎません(※2)。気候変動に対する歴史的・国際的責任をほとんど負わない国が、最前線で苛烈な被害を強制されている現実は、私たちが決して容認できない不公正な構造そのものです。これは、GHGの大排出国が責任を果たし、補償に向き合う責務があるとする「気候正義(Climate Justice)」の問題です。

2. 日本社会の当事者責任と、緑の党が果たすべき責任
気候正義を問う視点は、今回ネパール政府が当初例示した大排出国の三つ(※1 再掲)だけでなく、日本に生きる私たち自身にも向けられています。日本は歴史的な累積排出量(※3)で見れば化石燃料からのCO2排出量が世界第5位(世界全体の約4%、インドと並ぶ)を占める主要な大排出国であり、今日でも過剰な生産と消費によって世界全体のGHGの2.5%を占める量を排出し続けています。日本の政府や企業、社会には極めて重い加害責任があることを認めなければなりません。

国連のCOP28で運用が開始された「損失と被害基金(Loss and Damage Fund)」において約束された拠出額(約7億ドル)はネパールなどの気候適応計画費用に対して圧倒的に不足しています。世界5位の排出国として不十分な出資や負担、海外プロジェクトにおける気候・環境リスク評価の甘さ、そして遅れをとる国内の排出削減策は、国際社会の一員として厳しく問われなければなりません。

同時に、気候危機の阻止や社会・経済構造の変革を政治の場から十分に推し進められていないことに対し、緑の党グリーンズジャパン自身も重い責任を自覚しています。 私たちは、単なる批評にとどまらず、社会システムを抜本的に変革させる先頭に立つ責任があります。

3. 「1.5度」達成の試練を超えて-2050年を待つことなくカーボンニュートラルの完遂を
気温上昇を「1.5度」以内に抑えるという国際目標の達成が極めて困難な局面を迎え、世界中で気候災害が深刻化する今、従来の緩やかな削減ペースに依存し続けることは人命の軽視にほかなりません。

もはや「2050年に実質ゼロ」という将来の達成目標でお茶を濁す猶予はありません。 日本をはじめとする先進国・大排出国は、加速する非常事態に対し、2050年を待つことなく前倒しでカーボンニュートラルを完全に達成・完了する必要があります。化石燃料からの即時脱却と、構造的な社会システムの転換が必要です。

4. グローバルグリーンズの結集と連帯
緑の党グリーンズジャパンは、世界各地の緑の党が結集するグローバルグリーンズ(Global Greens)の一員として固く結束し、地球規模での気候正義の実現と、2050年を待たない即時カーボンニュートラルの達成を目指して全力を尽くします。

私たちは、ネパールの被災された方々と固く連帯し、日本政府に対して「損失と被害基金」への実効性ある貢献と、大胆な排出削減の即時断行、また中国などを含む東アジア全体での排出削減に向けて取り組むことを強く要求していくとともに、自らの政治的責任を果たしていきます。

※註

1) 朝日新聞2026年9月2日記事「ネパール土石流『援助でなく正義と補償を』外相、米中印に責任問う」https://www.asahi.com/articles/ASV9231J4V92UHBI01WM.html

なお、翌9月3日、ネパールのカナル外相は「特定の国から補償を求める意図はなく、国際社会から補償を求める」と訂正の見解を示したとされている。

2) 1人あたりでも年間1.3〜1.75トンであり、世界平均の約6.56トンを大幅に下回る。

3) GHGは、大気中に排出されれば長期間にわたり留まり続け、これが気温上昇に寄与する。したがって、単年度の排出量を減らしたとしても基本的に単純に気温が下がるわけではない。したがって、累積の排出量は気候変動に対する責任という点で重要な意味がある。

声明全文(pdf)→ https://greens.gr.jp/uploads/2026/09/s_nepal.pdf