【声明】MOX燃料輸送に抗議し、原発回帰の撤回を求めます
【声明】MOX燃料輸送に抗議し、原発回帰の撤回を求めます
2025年10月8日
緑の党グリーズジャパン運営委員会
9月7日、フランス北西部シェルブール港から日本に向けて、再処理済みのMOX燃料を積んだ専用輸送船2隻が出航しました。目的地は関西電力高浜原子力発電所3・4号機(福井県)です。約2か月の航海を経て、同年11月中に日本に到着する予定とされています。
この輸送は1999年以来9回目(直近は2022年)で、最近はこの問題に対する関心も残念ながら薄まっています。しかし、私たちはあらためてその危険性を強く訴えます。
テロや事故の標的となりかねないこのような長距離輸送は、近年、ロシアによるウクライナ侵攻の中での「核威嚇」やイランへのアメリカ・イスラエルによる核施設への攻撃など、核使用の歯止めが破られようとしている中、その危険性はこれまでと比べても桁違いに高まっています。また、そもそも自国では処理もできないものを、遠い海外に委託し、その結果生じた危険な物質を再び輸送して持ち帰るというあり方こそ、根本的に誤っています。
原発は「高く、危なく、将来が不安定」な電源です。六ヶ所再処理工場は幾度も完成が延期され、プルトニウム利用計画も行き詰まりました。さらに、高レベル放射性廃棄物の最終処分場はいまだ決まっておらず、全国で候補地探しが進められても住民の合意は得られていません。原発政策の前提となるはずの核燃料サイクルは破綻しているのです。
それにもかかわらず、日本政府は第7次エネルギー基本計画において原発利用を拡大する方向へ舵を切りました。出口のないまま原発依存を続けることは、将来世代に無責任な負担を押し付けるものです。
何年かに一度おこなわれるこのような核輸送は、そのような意味で、日本の核・原子力政策の破綻を象徴するものであり、その転換・撤退に向けた議論への好機とすべきです。
日本が目指すべきは、危険で行き詰まった原発依存の道ではありません。太陽光、風力、地熱など地域に根ざした再生可能エネルギーの可能性は大きく広がっています。私たちは政府に対し、原発回帰の方針を直ちに撤回し、100%再エネ社会の実現に向けて全力を傾けることを強く求めます。
声明全文→ https://greens.gr.jp/uploads/2025/10/S_MOX2.pdf