【声明】原発の運転延長・新増設の計画に強く反対し、脱原発に向けたエネルギー政策を求めます
【声明】原発の運転延長・新増設の計画に強く反対し、脱原発に向けたエネルギー政策を求めます
2025年8月18日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
関西電力株式会社(以下「関電」)は去る7月22日、福井県美浜町において、美浜原子力発電所(以下「美浜原発」)1号機の後継機設置の可能性について、地形や地質等の特性を把握するための自主調査を開始(再開)することを発表しました。
美浜原発は1,2号機がすでに廃炉作業中で、3号機も40年以上経過しており、2011年「3.11」福島第一原発事故後、後継機設置を検討するための自主的な現地調査を見合わせていました。関電は調査の結果のみから新増設を判断するものではないとしてはいるものの、今年閣議決定された第7次エネルギー基本計画による原発回帰政策を踏まえたものであると言えます。
また、これに先立ち、本年6月、原子力規制委員会の審査や裁判所の命令などで停止した期間を運転期間から除外し、実質的に60年を超える運転を可能とするように電気事業法が改正されました。これは「3.11」福島原発事故の翌年、原子炉等規制法の改正によって定められた「40年ルール」を覆すものです。この「40年」規制でさえ十分とは言えず、今回問題となっている美浜原発や高浜原発など40年超の老朽原発では、すでに様々なトラブルが発生しています。福島原発事故の深刻な被害や科学的知見の蓄積をまがりなりにも反映させたはずのルールを、政府の政治的な方針で簡単に変更させる改悪に、強く抗議しなければなりません。私たちの身の回りの生活電化製品でさえ、60年以上前の製品などほとんどないことを考えれば、高度の安全性を確保しなければならない原発の運転期間の規制緩和の乱暴さは明らかです。
東電福島原発事故は、福島県を超えて広範な地域に深刻な放射能汚染をもたらし、事故から14年を経ても、地域住民の人格権や幸福追求権等など基本的人権を日々侵害しています。新規制基準の下においても、原発が破局的な事故を引き起こす可能性があることには何ら変わりなく、根本的問題は解決されていません。
電気事業法の「改正」は、重大事故を再び引き起こしかねないものであり、科学的合理性にも経済的合理性にも背を向けてひたすら原発再稼働に突き進む政権の姿勢を示しています。それに加えて新増設へと踏み込んでいけば、気候変動対策や再生可能エネルギーの推進にますます逆行するだけでなく、高レベル放射性廃棄物も際限なく発生し続けることになります。
こうした自公政権の原発推進政策に歩調を合わせる日本維新の会や国民民主党などの責任も重大であり、先の参院選で勢力を拡大した参政党の動向も懸念されます。
私たちは、運転期間規制の緩和や危険な原発新増設計画に強く抗議するとともに、市民や他の立憲野党と共に、二度と原発事故を引き起こさないような万全な原子力規制を求めます。また、すみやかに脱原発を達成し、持続可能なエネルギー社会へシフトするために、原発誘導施策の転換を含め、多くの市民の皆さんとともに、今後も各地域やさまざまな現場において、連携を深め、提案し、行動していきます。
声明全文→https://greens.gr.jp/uploads/2025/08/S_genpatsu.pdf