【見解】政府と青森県は、危険な大間原発と六ヶ所再処理工場廃止の決断を

【見解】 政府と青森県は、危険な大間原発と六ヶ所再処理工場廃止の決断を

2012年10月30日 緑の党 運営委員会

  中断されていた大間原発(青森県)の建設が再開されました。大間原発は完成すれば日本で初めて全炉心にMOX燃料(ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料)を装荷して運転を行なうもので、「中期的な核燃料サイクルを実現する」と位置づけられています。
 しかし、その核燃料サイクルはすでに技術的・経済的に破綻しています。核燃料サイクルの要となる高速増殖炉は一般の原発(軽水炉)よりはるかに危険です。巨額の開発費(約1~2兆円)をつぎ込んだ高速増殖炉もんじゅは試運転中のナトリウム火災事故(1995年)から停止したまま老朽化が進み、実用化のめどが立っていません。それにもかかわらず、政府は危険な実験を再開しようとしています。しかし、日本より高度な核技術を有する米・英・独・仏でも、高速増殖炉の開発を断念するまでに大惨事寸前の事故を経験しているのです。
 高速増殖炉が実現しなければ、青森県六ヶ所村の再処理工場にも存在意義はありません。通常のウラン燃料より危険なMOX燃料を大間原発などの軽水炉で使用するのは、核燃料サイクルの破綻をごまかすためのものでしかありません。MOX燃料に必要なプルトニウムを取り出す再処理工場でも、セラフィールド(英)、ラ・アーグ(仏)など、海外で事故が多発しています。
 大間原発の沖合には活断層の存在も指摘されており、これは同原発のリスクをさらに大きくするものです。同原発の対岸に位置し、事故による影響が重大な観光や水産業などを経済の基幹とする函館市は、建設の無期限凍結を求めるとともに、法的措置の準備も進めています。
 政府と青森県は、人びとの命を守るためにも、大間原発と再処理工場の早急な廃止を一刻も早く決断すべきです。緑の党は全原発の即時廃炉を訴えると同時に、地域経済は豊かな自然があってこそ存続しうることを踏まえ、脱原発後の持続可能な地域経済の在り方を地元の人々と共に考えていきます。