【談話】被団協へのノーベル平和賞授賞-核廃絶に向けた国際世論のさらなる強化へ
【談話】被団協へのノーベル平和賞授賞
-核廃絶に向けた国際世論のさらなる強化へ
2024年10月18日
緑の党グリーンズジャパン
共同代表 中山均 漢人あきこ
尾形慶子 八木聡
去る10月11日、ノーベル委員会は今年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へ授賞すると公表しました。同委員会は授賞理由の中で「一つの心強い事実」(授賞理由文)として、「80年近くの間、戦争で核兵器は使用されてこなかった」ことをあげ、その背景に被爆者らの並外れた努力があったことを認めています。
ノーベル平和賞の過去の選考を巡っては、私たちもこれまでいくつか問題があったと認識しています。しかし今回の授賞は、核保有国が核使用をほのめかし、実戦での使用の危険性が高まる中、核兵器禁止条約の採択に大きく貢献した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が2017年に受賞したことに続き、市民の力が大きく認められたものであり、核廃絶に向けた国際世論の強化とその未来への継承という点でも大きな意義を持つもので、私たちもこれを率直に歓迎します。
一方、今回の授賞にあたって「朝鮮人被爆者問題がこの受賞から抜け落ちている」との批判もあります(※1)。被爆者が国籍や地域を超えて広がっていること、そして先の大戦での核兵器の実戦使用やその被害の過程に日本が大きな責任を有していることを、あらためて強く認識する必要があります。
受賞した被団協は、石破首相の核共有論を「論外」と言って非難しています。平和賞を受賞した団体の足元の国の首相が、核兵器禁止条約にきわめて消極的であるばかりか、核兵器による威嚇を積極的に支持していることはきわめて問題です。
今まさにおこなわれている衆院選において、核廃絶に対する首相はじめ与野党の姿勢についても重要な争点として提起されるべきです。私たちも、選挙戦の中で核廃絶の意義と重要性を訴えていきます。
私たちは、被爆者や支援団体、関係者の皆さんの長年の取り組みやその苦闘にあらためて心から敬意を表し、今回の授賞が国際社会における核廃絶の流れをいっそう強化することを期待します。私たち自身も、全国各地で、また国境を越えたネットワークを活かして、核のない社会に向けた国内外の運動の強化に向けて活動を強めます。
※註
1:ハンギョレ新聞10/16付記事 https://japan.hani.co.kr/arti/international/51363.html