【声明】市場原理すら無視した原発延命策「RABモデル」に反対します

 【声明】市場原理すら無視した原発延命策「RABモデル」に反対します
-支援すべきは再生可能エネルギーに取り組む市民の動き

2024年9月16日 
緑の党グリーンズジャパン運営委員会 

 経済産業省は、原発の新増設を進めるために、建設費を電気料金に上乗せできるようにする制度を導入しようとしています。これは、英国で考案された原発支援策「RAB モデル」を参考にして、国が認可した原発の建設計画について、建設が始まった時点で、建設費や維持費などを電気の小売会社が負担するものです。これらの負担は、私たち消費者が払う電気料金に上乗せする形で回収されます。建設費が嵩んだ場合でも、必要な経費と認められれば料金に算入でき、計画が中断した場合は、国が資金を出すなどして補償します。 

 このような制度が検討されたのは、東京電力福島第一原発事故で安全対策費が膨らむうえ、電力自由化で建設費を確実に回収する手段もなくなり、電力各社が投資に及び腰になっているからです。国は市場原理まで無視して、高コスト電源である原発の推進にやっきとなっています。この制度をそのまま日本に導入した場合、契約者に電気料金として直接請求するかどうかは、新電力を含む小売会社の判断によりますが、再生可能エネルギー100%の電気を選んだ人も、原発の建設費を支払うことになる可能性があります。 

 英国においても、RAB モデルには多くの反対があり、今年同国で行われた総選挙における保守党の歴史的大敗の一因となりました。日本でもこのモデルには多くの市民が反対しています。化石燃料高騰によるエネルギー価格高が人々を苦しめている今、求められているのは、決して高コスト電源である原発を推進してさらに市民負担を増やすことではなく、コストダウンが急速に進んでいる再生可能エネルギーを、自然環境や地域社会に調和する形でさらに後押ししていくことです。日本でRAB モデルを導入すべき理由は全くありません。 

 東京電力福島第一原発事故の教訓を受けて10年前に福井地方裁判所が大飯原発の差し止めを命じた歴史的判決以来、多くの司法判断が原発の安全性に警鐘を鳴らし続けてきました。私たち緑の党グリーンズジャパンは、市民や立憲野党と共に、原発の速やかな廃炉を求め、原発に依存しない自然のリズムを生かしたエネルギー源や地域経済の構築に尽力していきます。 

参考 
この日本版「RAB モデル」をやめさせるためのオンライン証明が始まっています。
ぜひご協力ください https://chng.it/dnjCThjHXV

PDFファイル:https://greens.gr.jp/uploads/2024/09/seimei_RABmodel.pdf