【声明】第26回参議院選挙にあたって-暮らしと人類の未来を守る政治への転換を!

【声明】第26回参議院選挙にあたって-暮らしと人類の未来を守る政治への転換を!

2022年6月22日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 ウクライナへのロシアの侵略、エネルギー危機と物価高騰、そして深刻な気候危機が進行する中で、第26回参議院通常選挙が始まりました。今回の選挙も、今後の日本社会と政治・経済のありように大きな影響を与えるものとなります。                           

■深刻な暮らしへの支援と連帯経済の構築へ
 日本は「経済大国第3位」であるにもかかわらず、30年間実質賃金が低下し、貧困率は先進国中第2位、一人親世帯の貧困率は5割を越えています。
 岸田政権の「新しい資本主義」は、高所得層を優遇し、格差拡大と物価高の生活不安に応えるものではありません。これに対し、多くの野党が訴える消費税減税や補助金などによるガソリン価格高騰への対処などだけではなく、私たちは、大企業や富裕層への公正な税負担、資産・所得格差と貧困を解消する持続可能で希望の持てる連帯経済と生活保障の構築こそが必要であると訴えます。

■戦争と気候危機を回避し、世界と未来へ向けた連帯社会を
 岸田政権と自民党は、ウクライナでの戦争を名目に、憲法9条の改悪や「防衛費のGDP比2%」、南西諸島への基地建設や「敵基地攻撃能力」保有など、「専守防衛」を大きく超える政策を掲げています。維新もこれらを右の立場から後押しし、野党の一部も含めて与野党の多くが軍拡路線を事実上容認しています。
 しかし、そもそも社会保障の増強には「財源論」が問われる一方で、軍事費増額が聖域であるかのような議論も問題です。また、ひとたび軍事力が行使されれば、当事者の思惑を超えて、戦闘の激化と長期化、多くの市民の犠牲、核戦争の可能性も含めた予測不能な事態をもたらしかねません。際限のない軍備増強の道に、日本や世界の未来を委ねることができないことは明らかです。今回の戦争が引き起こされた経緯の検証も踏まえた実効的な平和構築の枠組みの強化こそが必要です。
 現在、世界の軍事費は2兆ドルもの規模に至っています。この額は、今後気候危機によって最大で10億もの人々が移住を強いられる可能性など、地球規模の人類的課題を解決するための資金に匹敵します。軍拡の道は、気候危機対策を後戻りさせ、人類の未来を閉ざすものです。
 ところが現在、新型感染症ウイルスの弱毒化で「社会経済を回す」方向へシフトする中で、気候危機問題は軽視されています。炭素税の引き上げを含め、気候対策を進める具体的な施策やその数値目標などは大きな論点となっていません。そして、エネルギー高騰を理由にして原発再稼働も進められようととしています。
 持続可能な世界と、未来へ向けた連帯社会の構築が必要です。

■緑の理念の実現に向けて
 ヨーロッパやオーストラリアでの緑の党の躍進は、こうした問題に正面から取り組み、奪い合いから分かち合いと連帯の社会経済に向けた根本的転換と、そのための緑の政治勢力が日本でも必要であることを明確にしています。
 しかし、残念ながら私たちの力も不十分です。岸田政権の高い支持率や、野党が明確で説得力のある対抗軸を十分示すことができず、その連携も不十分な中、市民・野党勢力は困難な中での選挙戦を覚悟しなければなりません。
 私たちは、今回の参院選で、緑の展望や理念を共有できる比例区の候補者と政策協定を締結するとともに、各選挙区においては、民主主義や平和や気候問題の観点から、市民・立憲野党統一候補を軸に応援します。そして、緑の理念に基づいた本来あるべき日本社会の将来像を描き、私たちに課せられた歴史的・国際的な責務を自覚しながら、他の政治勢力や市民運動とも連携し、私たちの応援する候補の必勝に向けて全力で奮闘します。

PDFファイルは⇒ https://greens.gr.jp/uploads/2022/06/1ccbaa84c79e301bf2212ce9ca0acc72.pdf