【声明】日本国憲法施行から 75年 -平和と憲法を脅かす深刻な危機の中で・・・

【声明】日本国憲法施行から 75

-平和と憲法を脅かす深刻な危機の中で、「緑の政治」の実現を-

202253

緑の党グリーンズジャパン運営委員会 

 日本国憲法施行から75年が経ちます。ロシアによるウクライナへの一方的軍事侵攻によって、多くの子どもたちや一般市民の命が奪われ、都市やインフラが破壊され続けている中で、私たちはこの日を迎えています。

国際社会や私たち市民の力が、このような暴挙をただちに止めることができない深刻な事実を、まず直視しなければなりません。しかし、この現実を前にしても、平和の尊さや戦争抑止に向けて積み重ねてきた人類の努力を否定すべきではありません。むしろ、実効的な平和構築の枠組みの強化こそが、人類にとってますます重要な課題だと認識すべきです。

日本国内でも、「9条は無力」「自分の国は自分で守る」「敵基地攻撃能力保有」「軍備の増強」といった声が一部で上がっています。欧米諸国から武器供与を受けたウクライナ側の軍事力が侵攻への強力な抵抗力の基盤のひとつとなっていることは紛れもない事実です。その一方で、今回の事態の経緯は、軍事力の行使を選択すれば、当事者の思惑や判断を超えて、さらに激しい相互の攻撃と紛争の長期化、多くの市民の犠牲、核戦争の可能性も含めた予測不能な事態をもたらしかねないことを明らかにしています。際限のない軍備増強の道に、日本や世界の未来を委ねることができないことも明らかです。

また、一人の独裁者の独断や暴挙が、いかに悲惨で破滅的な結果をもたらすか、あらためて明らかになりました。その意味で、日本で進められてきた強権政治は、この事態と無縁ではないことにも気づくべきです。ウクライナ緑の党の仲間が戦争の渦中に発したメッセージ(※1)においても、「命」「自由」の重要性に加えて、独裁がもたらす危険と「民主主義」の重要性を強く訴えています。まさに日本国憲法にも共通するこれらの理念の重要性を、私たちは何度も確認し、訴える必要があります。

日本国憲法の前文は、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持」するとし、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利」を高らかに謳っています。独裁者による野蛮な暴力と悲惨な戦争を前にしても、私たちはこの理念を放棄することはできません。むしろこの理念の実現に向けた努力こそが、日本政府にも、私たち市民にも、そして国際社会にも、強く求められています。

また、今この瞬間にも、ウクライナだけではなく、アフガニスタンやミャンマー(ビルマ)、中東地域などでも多くの市民が犠牲になっています。気候変動と新型感染症の拡大も、世界の人々の命と暮らしを脅かしています。これらと対抗する平和で公正・透明な社会の実現こそ、私たちがめざす「緑の政治」の役割です。

7月には参院選を迎えます。際限のない軍備の増強と強権政治ではなく、日本国憲法の理念を実現する公正な社会をめざして、「緑の政治」の理念を共有する仲間たちと連携し、全力を尽くすことを決意します。

 

※註
1)
タスマニアン・グリーンズ50周年に寄せたウクライナ緑の党からのメッセージ(2022317日) https://greens.gr.jp/world-news/31436/


 
PDFファイルは⇒ 
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