【声明】国際女性デーにあたり ~紛争や戦争の下で苦しむ女性がいない世界を目指して~

【声明】国際女性デーにあたり

~紛争や戦争の下で苦しむ女性がいない世界を目指して~


2022年3月8日

緑の党グリーンズジャパン女性ネットワーク
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 

 今日3月8日は女性の平等な政治・社会参加を求める国際女性デーです。しかし今年は、世界の女性が近年で最も厳しい状況を迎える日となってしまいました。昨年2月に起こったミャンマー(ビルマ)での軍事クーデター、8月に起こったアフガニスタンでのタリバンの復権、そして今年2月24日からのロシア軍によるウクライナ侵攻によって、おびただしい数の女性たちが命の危険にさらされています。

 日本においては、コロナ禍が続くなか、男性の約2倍にあたる非正規雇用の女性は、こどもの休園や休校に伴う収入減、家事労働の増大、失業の不安を抱え、困窮の度合いが増しています(※1)。そして、東電福島第一原発事故による避難者、特に母子避難を強いられている女性もまた、精神的・経済的に追い詰められた状況が続いています。昨年10月の衆議院選挙において女性の当選者はわずか9.7%と、10%をかろうじて超えた4年前から再び後退しました。女性候補者や政治家が有権者から受ける「票ハラ(票ハラスメント)」、ネット利用時に性的いやがらせを受ける「オンラインハラスメント」、リモートワーク中に上司や同僚から受ける「リモハラ(リモートハラスメント)」など、日本における女性差別は改善の方向に向かっているとは言い難い状況です。

 緑の党グリーンズジャパンは、前身団体から一貫して、共同代表や運営委員などの役員の半数以上を女性とする規約を定め、実践してきました。2019年からは党内に女性ネットワークを立ち上げ、女性やLGBTQ+差別の状況やその構造について意見・情報交換を行ってきました。

 その意見・情報交換の中から浮かび上がってきたのは、「男性優位の思い込み」が男女共に刷り込まれており、それが家庭・教育・企業・議会・司法・医療・報道などのあらゆる現場で現れ、皆が生きづらい人生を送っているという構造でした。私たちは、女性やLGBTQIA+などあらゆるSOGI(性指向と性自認)を認め合い、誰もが自分らしく生きられる社会を実現するためにさまざまな課題に取り組んでいます。自治体レベルでは学校での混合名簿100%、子宮頸がんワクチン積極勧奨再開の見直し、パートナーシップ条例制定などを進めようとしています。そして国政レベルでも、戸籍法や刑法の改定、選択的夫婦別姓制度、同性婚などの法整備の前進を求めていきます。

 今、世界では、ウクライナ以外の各地の紛争でも人々が犠牲になっており、それは特に女性に集中しています。気候変動による水不足や食料不足は、紛争の要因ともなり、女性を取り巻く状況をさらに深刻化させることになります。紛争の解決や社会の再生には、犠牲や被害の当事者である女性たちの役割が欠かせません。女性たちが社会のあらゆる場面で決定権を持つことこそが、多様性を尊重しいのちを大切にする社会を創っていくことにつながると確信します。

 力で脅かし争うのではなく、話し合い分かち合うことで平和を実現するために、私たちは世界の女性たちと連帯します。

 

(※1)労 働 力 調 査 2021年(P.8)https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf

PDFファイルは⇒ 
https://greens.gr.jp/uploads/2022/03/939042fbed14a61c11105ec145a197db.pdf

参考:
【世界のみどり】APGF女性ネットワーク 国際女性デー アドベントカレンダー
https://greens.gr.jp/world-news/31361/

修正報告
「ワクチン勧奨再開」を「ワクチン積極勧奨再開」と修正しました(2022/3/8 15:10)