【談話】#二回目の現金一律給付を求めます

【談話】#二回目の現金一律給付を求めます

2021年4月10日
緑の党グリーンズジャパン共同代表 松本なみほ

 4月5日、大阪・兵庫・宮城の3府県に「まん延防止等重点措置」が適用されました。しかし感染拡大は続き、大阪府では医療崩壊の危険も叫ばれ、4月8日は全国的にも2か月ぶりに3000人を越す感染者が確認されました。変異株も急増し、今まさに日本は新型コロナウイルス感染拡大の第4波にみまわれている状況です。検査体制の拡充、保健・医療体制の再構築、医療分野への経済的支援などの措置を怠り、GO TOキャンペーンによって第4波を招いた自公政権の責任は重大です。

 今後、最速で感染拡大防止策がとられたとしても、大都市を中心に、飲食、製造業でこの間急増している解雇がさらに拡大することが強く懸念されます。また、飲食、販売関連の労働者は非正規が多く、男性の3倍の女性の非正規労働者の困窮は極限状態に陥ります。今年1月、2月の自死者数も過去3年間で最も多いこと、コロナ禍での困窮をきっかけとした給付金詐欺などのいわゆるコロナ犯罪が増えていることを鑑みると、このような社会不安はさらに増大するでしょう。

 私たち緑の党は、昨年4月に安倍前首相が「緊急事態宣言」をした時から、人権・生活保障・社会連帯の重要性を訴えてきました(※1)が、現行の支援制度にはそれらの観点が欠けています。持続化給付金や家賃支援給付金などは、制度ごとに対象や条件が設定され、給付までに煩雑な手続きや時間が必要となります。生活保護制度については、厚労省が「生活保護は国民の権利です」とアナウンスを始めていますが、「生活保護は恥」「困窮は自己責任」とする社会風潮の中で申請をためらう人々への支援に結びついていません。問題視されてきた「扶養照会」の見直しも図られましたが、自治体によって判断基準が異なり、抜本的な解決には至っていません。

 第4波による社会不安を最小限にくいとめるために、現行の支援策を継続しつつ、支援の遅れや漏れを補完するために速やかな現金一律給付を急ぐとともに、これだけでは不十分な人たち-困窮や孤立に直面する人たちにはさらに必要な支援が追加されるべきです。昨年のような世帯ごとの給付ではなく、DV被害者にも行きわたるように個人単位での給付とすることは言うまでもありません。国債発行はやむを得ませんが、未来世代に負担のないようにすることが必要です。富裕層にも給付することを疑問視する声もありますが、その声はこれまで自公政権が進めてきた高所得者・大企業優遇税制にこそ向けられるべきです。私たちはあらためて、所得税の累進性を高め、相続税・金融課税、環境税など富裕層と大企業への増税、税の本来の役目である所得再分配機能の強化を訴えます。

 二回目の現金一律給付や追加支援を通じて、コロナ禍で困窮している方々-特に雇止めやDV被害に遭い、不安と絶望の淵にある女性たちが、「生存権」「幸福追求権」を取り戻し、尊厳を持って生きていけることにつながるよう、心から願います。



※註1)【談話】 新型コロナ感染症拡大への「緊急事態宣言」― 人権・生活保障・社会連帯の重要性を訴えます(2020年4月8日) https://greens.gr.jp/seimei/28007/


PDFファイルは⇒ https://greens.gr.jp/uploads/2021/04/d53b58bd0ed7b3767f3b4ea39b57f30e.pdf