【決議】「3.11」原発事故10年特別決議~原子力も化石燃料も使わない未来へ

【決議】「3.11」原発事故10年特別決議
    原発事故を二度と繰り返さず、原子力も化石燃料も使わない持続可能な未来へ

 

2021年2月14日
緑の党第10回定期総会 参加者一同


  今年3月11日で、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年が経ちます。本決議を議決した第10回定期総会の期間中にも、「3.11」の余震とされる地震によって東北地方を中心に大きな揺れにみまわれ、「地震大国」に立地する原発の危険性とその廃絶の必要性をあらためて確信しました。
  事故から10年を経る中、公的な支援策が次々縮小・打ち切られ、多くの被災者・避難者の生活困窮、甚大な環境汚染、「復興」の下で進む地域社会の分断など、原発事故の影響は今なお深刻で、被害の回復とは程遠い現状にあります。被害を無視し、事故の風化を図る国や東京電力にあらためて強く抗議します。

  「3.11」は、原発の危険性をあらためて明らかにし、社会の転換の必要性を私たちに迫りました。それは緑の党の結党の原点でもあります。そして、それから10年を経て、私たちの社会は新型感染症拡大と気候変動という新たな危機に直面することになりました。これらの危機は人類のグローバルな経済活動にその根本要因があり、原発事故をもたらした原因も政治・経済のあり方そのものにありました。
 これらの危機に対処するためにも、脱原発・脱炭素社会の実現、経済の「ダウンシフト」や地域分散型社会への転換-まさに私たち緑の党が掲げる理念がますます重要になっています。それは欧州などの緑の党の躍進で経験しているように、社会が私たちに求めている歴史的使命を明確にしています。
  私たちはその使命を深く自覚しながら、まず、深刻な状況にある多くの原発事故被災者・避難者の声にあらためて向き合い、政府や東京電力に対し、被害の回復や補償の実現を求める活動を強化するとともに、被災者・避難者への民間レベルの支援活動にもこれまで以上に積極的に取り組みます。大規模集中システムである原発は、私たちがめざすべき地域分散型社会とは相容れず、リスクやコストなどあらゆる点で持続可能性が欠如しており、低炭素社会実現にも逆行する原発の延命を許してはなりません。

  今年6月にはエネルギー基本計画が改訂されますが、政府内の議論では原発をベース電力として位置づけ続けるばかりか、再稼働や新規建設も含む活用といった意見が相次いでいます。基本計画を抜本的に転換し、深刻な事故を二度と繰り返さないためにも原発ゼロを一刻も早く実現することこそ必要です。また、11月にはCOP26が開催され、その直前までに総選挙も行なわれます。気候危機を回避し、核のない未来に向け、日本社会の経済・政治の根本的転換のため、この1年が極めて重要です。私たちは、エネルギー基本計画案の大枠が決まる3~4月に向けて「あと4年 未来を守れるのは今」を掲げ「化石燃料も原発も使わない、持続可能な再エネ100%の気候・エネルギー政策」を求める署名活動など、市民の皆さんとともにさまざまなアクションに全力で取り組みます。これらの活動の成否が今後の社会を決定づけると言って過言ではありません。

  そして、こうした活動とともに、総選挙を含め、政治的な機会や場面でも、緑の党が掲げる「グリーンリカバリー+(プラス)」こそ、危機からの回復と社会の未来にとって必要であることを社会に訴える必要があります。私たち自身の組織を強化しながら、その実現に向けて全力を尽くすことを決意します。

 

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