【談話】首都圏への緊急事態宣言再発出を受けて-あらためて「人権・生活保障・社会連帯

【談話】首都圏への緊急事態宣言再発出を受けて

-あらためて「人権・生活保障・社会連帯」の重要性を訴えます

 

2021年1月8日
緑の党グリーンズジャパン共同代表 中山 均

  新型コロナ感染症の急速な拡大を受け、昨日、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の一都三県に緊急事態宣言が発出されました。大阪府も兵庫県や京都府と連携して発出を要請する見込みです。

  現在の深刻な感染拡大は、安倍前首相以来の政権の場当たり的で後手に回った対応や認識の甘さがもたらしたと言っても過言ではありません。現状を踏まえれば、経済活動や移動の一定の制限を求める措置はやむを得ないと考えます。
  制限対象となる業種に対する十分な補償と、他にも影響を受ける関係方面の雇用の維持・確保は必須です。新型インフル特措法に基づく経済活動の制限は、まさに憲法で言うところの「公共の福祉のための財産権の制限」であり、これには憲法上も正当な補償が必要です。宣言の発出された地域の人びとの暮らしへの直接的・間接的影響も注視しながら、丁寧な対処が求められます。

  一方、そもそも欧米と比べて圧倒的に少ない発生数や重症例数で「医療逼迫」や「医療崩壊」の危険性が叫ばれている日本の医療制度の不十分さにも大きな問題があります。日本は欧米と比べても一人当たりの病床数は世界でトップクラスでありながら、新型コロナ感染症に対応できる重症病床数は不十分で、首都圏だけでなく、大阪府でもその使用割合が限界に近づきつつあります。公的医療の縮小を含む医療・介護の市場化、医師をはじめ医療スタッフの不足や保健所の弱体化が、感染対策の徹底や十分な治療を困難にしてきました。今日の状況は、この間の医療制度・政策に重大な問題があった結果です。
  第一波が落ち着いてから現在に至るまで、そうした医療保健体制の改革やまともな対策に手を付けることなく、「ポストコロナ」を謳った経済成長策ばかりを優先してきた政権の責任も重大です。

  私たちは、今回の緊急事態宣言にあたっても、(1)人権に配慮した透明で公正な対応 (2)必要な人たちへの継続的な支援 (3)不公正税制の是正を含めた「負担の分かち合い」「社会的連帯」 などの重要性を訴えた談話(※1)の立場を引き続き維持することを明らかにします。そして、進行する深刻な気候変動と並行して、この感染症危機に対し、前向きで公正・透明な政治を創ることを通して、ともに立ち向かうことをあらためて訴えます。

 

※註
1:2020年4月8日付共同代表談話
「新型コロナ感染症拡大への『緊急事態宣言』― 人権・生活保障・社会連帯の重要性を訴えます」
https://greens.gr.jp/seimei/28007/

 

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