【談話】新型コロナウイルス問題での突然の休校要請-政府は場当たり的対策による…

 

 【談話】 新型コロナウイルス問題での突然の休校要請
-政府は場当たり的対策による混乱に責任を

2020年3月2日

緑の党グリーンズジャパン共同代表
 中山 均    尾形慶子
松本なみほ  橋本久雄

  新型コロナウイルス感染の拡大防止を理由に安倍首相が全国の学校の休校を要請(2月27日)したことを受けて各方面に大きな混乱が生じ、本日から多くの学校が臨時休校に入りました。非正規雇用やひとり親家庭の生活にも重大な影響を与えることは確実で、子育て中の看護師等が出勤できず休診せざるをえない医療機関も出ています。給食の食材のキャンセルなど、地域の農家や産業も大きな打撃を受けています。

 この決定は専門家会議の検討も経ておらず、したがって医学的根拠もなく、支持率低下挽回のための場当たり的対策だということは明らかです。当然予想できる混乱への準備もほとんどできていません。休校の一方で開所を要請されている学童保育所の対策など、「決断」の大きさに比べて、影響への対応は自治体や企業などに任せています。政権は翌29日になって「地域の実情に応じて柔軟に」などと言い繕っていますが、場当たり的対応の杜撰さをいっそう露呈しています。

 ほとんどの自治体がこの要請に従っています。自治体はこの要請に従う義務はないことを知った上で、そしてこの措置に医学的根拠がないことも認識しつつ、政権への「忖度」に加えて、「休校しなかった場合に万一の事態が生じた際のリスクや社会的非難を恐れて」判断したと考えられます。「子ども」や「保護者」「教職員」など、教育現場の当事者たちへの配慮が十分考慮されたとは言えません。政権が緊急事態を振りかざして狙う「緊急事態条項」や強権体制だけではなく、「自主的に」従う社会の危険性や脆さを、私たちは危惧します。

 今回の要請や措置に反応して、社会全体に科学的根拠のない過剰な「自粛」が拡大しています。官民のさまざまな事業の中止・延期の広がりは、関連する中小企業や非正規労働者に深刻な影響を与えています。

 政権は一定の財政措置の意向も示していますが、そもそも与える影響や混乱が適切に分析されておらず、不十分であり、その範囲や対象が適切なのか疑問です。

 私たちは、社会に大きな混乱と影響を与えている政権の唐突な要請を批判するとともに、今回の休校等の措置に伴う個人・法人・自治体・地域への影響や経済的損失を補償する対策と、速やかな検査・治療体制の充実などを求めます。加えて、進行する気候危機の中で、今後も予測される大規模な感染症の発生に対する総合的な適応政策が急務であることを訴えます。

 PDF➡https://greens.gr.jp/uploads/2020/03/danwa20200302.pdf