COP24閉幕を受けて、世界は気候変動防止のための実施指針をつくりあげた
‐逆走する日本政府を市民の力で方向転換させよう‐
2018年12月27日
緑の党グリーンズジャパン
共同代表 松本なみほ
12月15日、ポーランドのカトヴィツェで行われた国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(C0P24)は、パリ協定のルールブック(実施指針)を採択して閉幕しました。パリ協定は気温上昇を1.5℃~2℃未満に抑えるため、21世紀の後半までに温室効果ガス排出をゼロにすることを目標とする歴史的合意です。この目標に向けて、各国が排出削減や適応策、資金、技術移転などについて計画・行動・評価・改善を行ういわゆるPDCAサイクルがルールブックとして整備されました。
また、これまでの科学的知見では、気温上昇を2度以内に抑えることが必要とされてきましたが、今回のCOP24では10月に発表されたIPCCの1.5℃特別報告書に留意することも採択されました。世界の平均気温は産業革命前からすでに1℃上昇しており、現状のままだと2100年に3℃上昇することが危惧されます。1.5℃の上昇でも災害は拡大しますが、せめて1.5℃上昇に留めるために2030年までに二酸化炭素排出量を2017年比49%以上削減、2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにすることが必要だとされました。
COP24において、世界は気温上昇についての危機感とその対策の迅速性を共有し、積み残し課題は残るものの、2020年からの気候変動防止対策をスタートさせる準備が整ったといえます。
一方で日本政府は、気候変動を防止しようという意識が感じられず、しかも非現実的な原発再稼働を前提としたエネルギー基本計画を7月に閣議決定し、大量のCO2を排出する石炭火力発電所計画を容認し続けています。
世界では金融機関による石炭火力発電事業からの融資撤退が進み、再生可能エネルギー100%の事業展開を目指す大企業が続出しています。COPでも産業構造の転換に伴う労働者などへの連帯と公正な移行(Just Transition)の重要性を指摘したシレジア宣言が採択されました。世界ではまさに、企業、経済界、労働者などあらゆるセクターの人々が、それぞれの立場で気候変動防止へのアクションを実行しています。
私たち緑の党も、日本の各地で石炭火力発電反対運動に取り組む市民や、世界の緑の仲間と連携し、脱石炭・脱原発、省エネルギー、地域分散型再生可能エネルギー社会の構築に向けて活動していきます。
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