【声明】沖縄辺野古の埋め立て工事再開に強く抗議します 政府は工事を中止して…

【声明】沖縄辺野古の埋め立て工事再開に強く抗議します
  政府は工事を中止して沖縄県との対話と熟議を進めるべき

 2018年11月7日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 沖縄県辺野古の米軍基地建設計画に伴う埋め立て工事をめぐり、10月17日、防衛省は沖縄県の公有水面埋立承認撤回(8月31日)に対する対抗措置として、行政不服審査法に基づく効力停止を申し立てました。これを受け、10月30日、石井啓一国交相は「普天間飛行場周辺住民の危険性の除去や騒音の被害防止を早期に実現することが困難となる。日米間の信頼関係や同盟関係に悪影響を及ぼしかねない」などを理由として効力停止を認め、沖縄防衛局は11月1日、2ヶ月ぶりに埋め立て工事を再開しました。
 しかし、そもそも「行政不服審査」は行政の措置に対する市民の不服申し立ての権利を保障するための制度(行政不服審査法1条)であり、今回の国交省の対応は同じ内閣の中で救済を図るもので、立法の趣旨に反します。沖縄県はこれが「不適法」であり、「緊急性」もないことを指摘する意見書を提出し、行政法研究者ら110人も「国の対抗措置は違法」とする声明を発出しています。直近の県知事選をはじめ、何度も示される沖縄県の民意を無視する暴挙に、私たちも強く抗議します。

 故・翁長雄志知事が最後の力を振り絞るようにして決断した「承認撤回」によって工事が中断された期間、環境保護団体が緊急調査を行ない、赤土で海水が濁り、ジュゴンが喰む海草が消えていることなどが報告されています(※1)。土砂が投入され続ければ、沖縄の人びとが「生命のゆりかご」として大切にしてきた海の環境は完全に死滅してしまいます。
 また、県は大浦湾の海底地質の軟弱性と活断層の存在、地上の「高さ制限」に抵触する建物について指摘していますが、国は建設計画の文字通り「土台」が揺らいでいるにもかかわらず「問題なし」とし、危険を黙認しています。

 一方、沖縄県では移設計画に対する賛否を問う県民投票を実施するための条例が、31日に公布されました。そもそも県民投票を待つまでもなく、翁長氏死去によって行われた沖縄県知事選挙で氏の遺志を継ぐ玉城デニー氏が選出されたことが、すでに沖縄の明確な民意です。沖縄防衛局が再開した基地建設工事に対し、最大限の抵抗を示す県民投票になるでしょう。
 朝鮮半島における南北対談や米朝会談などにみられる東アジアの劇的な情勢変化を見れば、米軍基地を沖縄に置き続ける根拠は大きな疑問です。すでに橋本政権から20年以上経た今日では、辺野古の軍事戦略上の必要性すら低下しており、「辺野古なしの普天間返還」は十分可能です。進めるべきは米軍基地の固定化や強化ではなく、平和と共存に向けたイニシアチブの強化です。

 私たち緑の党グリーンズジャパンは、自然と平和、公正な民主主義や自治を求める沖縄の人々と連携し、辺野古の海への土砂を排出させない本土各地の市民活動とも繋がりながら、今後も沖縄の基地問題を自らの課題として取り組みを強化します。そして、日本政府に対し、直ちに工事を中断し、沖縄県と対話の席に着くことを強く求めます。

 ※註
1) 日本自然保護協会による報告
https://www.nacsj.or.jp/2018/10/12871/

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