【談話】竹島・尖閣諸島問題は「奪い合い」から「共に保全」へ

竹島・尖閣諸島問題は「奪い合い」から「共に保全」へ

共同代表 中山 均

 竹島や尖閣諸島の「領有」をめぐる緊張が高まっています。
 しかし、そもそも国境線は、近代国家成立の過程で人為的に引かれたものです。日本政府による尖閣諸島や竹島「領有」に関する主張にも、かつての領土拡張政策に対する自省的な視点が欠如しています。一方、中国や韓国のナショナリズムや覇権的な立場に基づく主張や行動も、支持できるものではありません。
 各国政府が国内の切実な生活課題を放置したまま、見通しも無く強硬策を応酬すれば、対立をエスカレートさせ、深刻な結果をもたらす可能性もあります。
 私たちは、各国政府と市民に対し、互いの主張に隔たりがあることを認め、行動を自制することを求めます。政府間の協議体制の確立、海洋調査や漁業協定など既存の枠組みを活かした信頼関係の醸成も必要です。また、国境問題の背景にある海洋資源の「開発」ではなく、環境の共同「保全」という視点も、問題の解決の重要な要素のひとつであると考えます。