【談話】 3.8国際女性デーにあたり、今国会で「政治分野の男女共同参画推進法」成立を
【談話】
3.8国際女性デーにあたり、今国会で「政治分野の男女共同参画推進法」成立を
2018年3月8日
緑の党共同代表 松本なみほ
3月8日は国際女性デーです。1904年にニューヨークで女性労働者が婦人参政権を要求してデモが起こったことがこの記念日のきっかけとなりました。100年以上を経て、日本国内では女性の投票が可能になって71年目を迎えます。しかしながら、世界におけるジェンダーギャップ指数は114位と過去最低であり、男女の賃金格差は男性を100とすると女性は73(厚労省調査2016年)とフェアではない社会が続いています。女性議員の割合はG7の中でも最低となっており、各政党の自主的な努力に加え、クオータ制の導入などが強く求められます。
また、女性に対する暴力はレイプやDVをはじめ、セクハラ、痴漢、盗撮、AV出演強要など多岐にわたり、減少することがないどころか、増加しているものもあります。経済的にも女性の貧困は顕著であり、特にひとり親家庭の貧困率は50%と高い割合となっています。
女性に限らず、ジェンダーに関わる課題として、性自認や性的指向についても自分らしく生きることの困難が明らかとなっており、国内では自殺を考える性的マイノリティの割合が6割を超えるという調査もあります。
この1年、海外からは、「#MeToo」というハッシュタグを使って性暴力被害の実態を訴えるキャンペーンが展開されました。国内でも何人かの女性が勇気をもって被害を告白しましたが、欧米のような拡がりを見せることはできていません。テレビ番組では、性や人種に関して人権意識の低さを露呈するような番組が放送され問題になっています。このような状況では、被害を訴えても孤立し、責められたり、報復されることをおそれて、声をあげることすらできません。そして、声をあげなければ、被害は「なかったこと」にされてしまう。そういった悪循環が続いていることに憤りを感じます。
1999年に施行された男女共同参画基本法は性別による差別や格差を是正し、すべての人が能力を十分に発揮できる「男女共同参画社会」の実現を目的として立法されました。しかし、その理念と目的の実現に向けて、雇用機会均等法、ひとり親に関する法体系の整備、改正刑法などはきわめて不十分です。性別に関わらず真の「フェアな社会」を実現するためには、こうした法制度の抜本的な改革と、私たち市民のひとりひとりが「フェアな社会」をジェンダーの視点から意識し、不平等のある実態を解消していくためのたゆまぬ努力が必要です。
私たち緑の党グリーンズジャパンは、設立当初からクォータ制を導入し、実践してきました。おりしも昨年の衆院解散で廃案となっていた「政治分野における男女共同参画推進法案」も再提出されようとしています。かつて日本と同様、男性優位社会だった北欧では、女性たちの運動の高まりを受け、80~90年代に政治分野でクオータ制が導入・定着し、それがノルウェーなどでは産業界への拡大にもつながっています。ようやく日本でもそうした最初の一歩が踏み出されようとしていることを積極的に評価するとともに、この動きをさらに発展させることが私たち緑の党の使命だと考えています。第196回国会における「政治分野における男女共同参画推進法」案の成立に注目し、国会の内と外から「女性議員を増やそう」ムーブメントを盛り上げ、誰もが人間らしい働き方、生き方のできる社会をめざしましょう。
PDF版はこちら
【訂正】『「政治分野における男女共同参画推進法」は野党共同提出である』とする旨の記述は誤りでした。お詫びして訂正いたします。(3月9日)