【談話】女性議員を増やして多様性尊重と民主主義のパワーアップを

 

【談話】女性議員を増やして多様性尊重と民主主義のパワーアップを

 

2017年2月28日
緑の党グリーンズジャパン共同代表
 長谷川羽衣子

 衆参両院や自治体選挙で候補者の男女の数をできる限り「均等」にするため、政党に女性候補者の擁立を促す法案が、今国会で成立する見通しとなりました。
私たち緑の党は、日本で初めて、そして現在でも唯一、代表や役員、候補者の女性比率を「半数以上」と定めている政党です。強制力のない理念法ではあるものの、女性議員の増加につながる大きな第一歩となるこの法案成立を私たちは歓迎します。また、クオータ制の法制化を求めてきた「フェミニスト議員連盟」や全国の女性運動団体の活動、そして法案の調整に向け、国会内で超党派の女性議員を中心として積み重ねられた努力などにも敬意を表します。

 今年1月に国際機関「列国議会同盟」が公表した調査では、日本の女性議員の割合は推移統計対象国193カ国中163番目であり、先進各国はもとより、多くの途上国より低いという現状です。
 そもそも日本の女性衆院議員の割合が戦後10%前後で推移し、現在も9.3%に留まるのは、自民党が長年にわたって女性の「活躍」を妨げる様々な法的、社会的、慣習的な女性差別の撤廃に反対、あるいは放置してきたことが原因です。
 例えば、婚外子差別、女性の再婚禁止期間を定めた法律は、国連から「女性差別にあたる」として何度も是正勧告がなされてきたにもかかわらず、改正されたのはつい最近(昨年6月)です。また、保育園の整備や長時間労働の規制、夫婦別姓など、女性が社会の中で男性と平等に「活躍」するための環境整備は遅々として進んでいません。
 
 緑の党は、女性の政治参加を進めるため、1980年代から全ての政党に先駆けて、候補者や役員の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を導入してきました。現在では100ヵ国以上がクオータ制を導入するに至っています。
ドイツでは、緑の党が1986年に女性を優先する候補者名簿を導入しました。当時の議会は圧倒的な男性社会であり、先進的な取り組みは失笑と共に迎えられ、緑の党は「夢見がちな党」と言われました。しかし、緑の党の取り組みは徐々に支持を集め、保守政党を含め、ほとんどの政党がクオータ制を導入するに至りました。現在、ドイツの連邦議会議員の約4割を女性が占めています。

 女性の「活躍」を進めるには、まださまざまな取り組みが必要ですが、議会の女性比率について、人口と同じ50%をめざすことが欠かせません。
 私たちは、女性議員が増えることこそ、多様性を尊重する社会の実現、民主主義の成熟と強化の大前提であることを強く訴えます。

 

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