【声明】…伊方原発の再稼動に強く抗議します

 

   【声明】地震に怯え避難計画も危うく、MOX使用済み燃料は行き場もない
        伊方原発の再稼動に強く抗議します

 

2016.8.12
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 伊方原発3号機は本日(8月12日)、再稼働されました。福島原発事故の深刻な被害が続く実態を無視して強行される再稼働に、私たち緑の党は強く抗議します。
 今春の熊本・大分群発地震のあと、愛媛県で行われた調査では、54%が再稼働に否定的で、昨年12月の調査でも反対が賛成の2倍を占めました。再稼働は住民の声を無視して強行されました。

  南海トラフの震源域と重なり、中央構造線断層帯近傍に位置する伊方原発は、そもそも原発立地としてきわめて不適です。また、今年6月、原子力規制委員会(以下規制委)に対して、元委員である島崎邦彦氏が基準地震動の計算手法の見直しを求めていますが、規制委は伊方原発を含め、これまで行った適合審査を全て見直すべきです。
 事故の際、佐田岬半島のおよそ5000人の住民を大分まで海路で避難させる計画には何の担保も保証もなく、険しい斜面の続く地域で多数の高齢者を速やかに避難させるのは不可能です。米国では原子力規制委員会が不十分な避難計画であれば運転を停止させますが、日本の規制委は「避難計画は国と各地元自治体に任せる」と責任逃れをしています。
 さらに、この3号機はプルトニウムを混ぜた危険なMOX燃料を使用します。規制委員会はMOX燃料の使用を「許可済み」としましたが、3・11以前の許可は根本的に見直す必要があります。使用済みMOX燃料の処理の問題も困難で未解決であり、これ以上の負の遺産を次の世代に押し付けることは許されません。

 今回の再稼働により、現在稼働中の商業用原発は川内原発1・2号基と併せて3基となりますが、三反園訓・鹿児島県知事は川内原発の一時停止を要請する考えを示しています。また、この3月まで稼働していた関西電力高浜原発は裁判による運転差し止め決定により停止しています。原発ゼロを求める市民の声が、事態を動かしているのです。伊方原発に対しても、大分(最短45キロ)、広島(100キロ)でも裁判で運転をストップさせる活動が始まっています。広島の裁判では、原告に原爆被爆者が多数参加し、「内部被曝」の実体験と知見に立って、伊方原発の危険性を訴えています。

 私たち緑の党は、原発ゼロを求める多くの皆さんとともに、無責任体制の元で強行された伊方原発再稼働に対し、あらためて強く抗議します。そして、エネルギーを浪費する経済・社会のあり方を見直し、地域の人びとが地域の自然資源を分かち合う地産地消の再生可能エネルギーの拡大によって脱原発の実現をめざします。

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