【抗議声明】違憲の安保法施行に抗議し自衛隊の南スーダン・ジブチからの撤退を求めます
【抗議声明】違憲の安保法施行に抗議し、
自衛隊の南スーダン・ジブチからの撤退を求めます
2016年3月29日
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会
本日3月29日、安倍政権は、安保法の施行を強行しました。私たち緑の党グリーンズジャパンは、集団的自衛権行使の閣議決定を行った2014年7月1日、安保法の「成立」を強行した2015年9月19日に続き、立憲主義と民主主義、平和主義を踏みにじるこの歴史的暴挙に、強く抗議します。
また、この安保法の施行に先立ち、すでに自衛隊法施行令など26本の関連政令が改訂され、約20本の府省令と防衛省所管の約40本の訓令が改訂、制定されています。なし崩し的に戦争を準備する法制度が整備される中、その中身も厳しく検証されなければなりません。
安倍政権は、多数の民意を押しつぶして成立を強行しながら、参議院選挙で争点になることを恐れて、南スーダンPKOに参加する自衛隊への安保法に基づく「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防衛」などの任務付与を11月以降に先送りし、米軍への弾薬提供を含む「日米物品役務相互提供協定」の締結も延期しました。つまり、首相が強調した「緊急性」は大嘘だったのです。同時に、法制定の目的として喧伝された「抑止力の強化」も、北朝鮮による核実験や「ミサイル」発射のエスカレーションを見るとき、著しく説得力を欠くものとなっています。
一方で安倍政権は、米政府とともに、自衛隊と米軍を平時から一体運用する「日米同盟調整メカニズム」の運用を開始し、交戦規定(ROE、「武器使用基準」)の整備などを加速させています。交戦権を否定した憲法9条のもとで、今まで禁じてきた「任務遂行のための武器使用」という名の武力行使に踏み込む危険な道に他なりません。
真っ先に自衛隊が「殺し殺される」関係に入ると見られる南スーダンでは、新たな任務付与が11月以降に先送りされるとはいえ、危険な内戦状況が続き、政府軍による虐殺やレイプさえ頻発しています。「紛争状態にはない」との政府の詭弁はとっくに破綻しています。PKO参加5原則に明らかに抵触しており、政府は自衛隊をただちに撤収させるべきです。NGOが切実に求めている医薬品支援など、日本にできることはいくらでもあります。
また、海賊対策で派遣された海上自衛隊がジブチに建設した戦後初の海外基地が、「対テロ」へとその役割を拡大しつつあります。安倍政権は安保法の施行を受けて、米国などが中東で展開する「対テロ」多国籍部隊「CTF150」に参加し、ソマリア沖での船舶検査を可能にするための検討を開始すると報じられています。これは、中東における「対テロ戦争」に公然と参加する第一歩であり、到底認めるわけにはいきません。今こそ、「自衛隊は南スーダンとジブチから撤退せよ」の声を上げ、野党の共通公約へと押し上げていくべきです。それは、安保法の発動を阻止することにつながります。
私たちは、安保法廃止と閣議決定の撤回、立憲主義の回復と個人の尊厳を擁護する政治の実現を希求する多くの人々とさらに力を合わせます。来る参議院選挙を通して、「緊急事態条項」改憲すら狙う「安倍政治」を終わらせるために全力を尽くします。そして、主権者による新しい政治文化をより豊かに、参加民主主義のうねりをより力強いものにするために、心ある野党と市民の皆さんと固く手を携えて進んでいきます。
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