【声明】高浜原発3号機再稼働に抗議する-「当事者」の同意無き再稼働をやめ、高浜の…
【声明】高浜原発3号機再稼働に抗議する-「当事者」の同意無き再稼働をやめ、高浜の人々に原発のない未来を描く権利を!
2016年2月3日
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会
福井地裁(樋口英明裁判長)による関西電力高浜原発(福井県高浜町)の運転差し止めの画期的な仮処分命令は、昨年12月24日、林潤裁判長以下の不当判断によって取り消されました。これを受け、関西電力は去る1月29日、高浜原発3号機の再稼働をはじめました。川内原発に続き、新規制基準施行後の再稼働の2例目となります。
福島第一原発事故から5年が経とうとしているにもかかわらず、原発事故と汚染水流出、被災者・避難者の長期に渡る避難や深刻な生活、家族や地域社会の分断など、多くの課題が全く解決の見通しも立たない状況となっています。政府が深刻な問題を解決するどころか放置する中で、現実とかけ離れたきわめて甘い想定による関電の事故「対策」のまま、実効性のある避難計画も策定されず、しかも危険なプルトニウムを用いるプルサーマル発電での再稼働は、断じて許すことはできません。また、東京電力柏崎刈羽原発において新規制基準に反した可燃性ケーブルを規制委員会が見逃し、これが大きな問題になっているにもかかわらず、高浜原発でその検査・確認が充分なされていないことも、「規制」の実効性が問われる重大な問題です。
高浜町の住民は、原発事故は不安だが再稼働に反対すれば仕事を失う、という袋小路に追い込まれています。森林資源、美しい海、先祖代々と受け継いだ大地を守り育て、原発のない未来を描く権利を奪われているのです。また、関西圏の市民など、立地町や福井県の行政区域を越える周辺地域に住む多くの市民は、自分や家族の命や住む場所を放射能の危険にさらされる当事者でありながら、原発再稼働に対する意思決定プロセスから排除されています。にもかかわらず、事故時には原発周辺自治体からの避難者を受け入れるという責任を押し付けられています。
2014年度は原発稼働ゼロにもかかわらず、近年で初めて温室効果ガスが減少に転じたことを、日本政府自身が発表しています。この事実は、これまで原発稼働でCO2を減らせなかったことと、原発ゼロでもCO2を減らせることを示しています。省エネルギーと再生可能エネルギーの普及は、脱原発と温暖化対策の両立が可能となるだけでなく、雇用創出の鍵ともなることが、世界各国で明らかになっています。高浜町をはじめとする立地住民が真に求めているのも、あくまでも雇用であって、原発再稼働そのものではありません。
日本政府は即刻全原発の廃炉を決定し、再稼働のための安全対策にかける予算や資金を、再生可能エネルギー普及による仕事づくり、高浜町をはじめとする原発立地自治体での町おこし、人材育成に充てるべきです。
緑の党は、いのち・環境・未来を大切にする人びとと共に、地域の人々の暮らしを大切にしながら、原発再稼働、地球温暖化をくい止めるべく、活動と発信を継続していきます。
註
1):この不当決定を覆すべく、緑の党の松本なみほ・長谷川羽衣子両共同代表ら仮処分の申立人は、笠原一浩・前運営委員ら弁護団と共に抗告中です。
PDF版はこちら