【声明】川内原発再稼働は無責任体制の証明―全原発の廃止を求めます
【声明】川内原発再稼働は無責任体制の証明―全原発の廃止を求めます
2015年8月11日
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会
本日、川内原発1号機において、原発前集会や全国での抗議の声の中、新しい規制基準のもと全国初となる再稼働が行われました。
私たち緑の党は、川内原発の再稼働に強く抗議するとともに、あらためて全原発の廃止を訴えます。
政府は、川内原発をはじめ、新規制基準を満たした原発を再稼働する方針を打ち出しています。しかし田中俊一・規制委員会委員長は繰り返し「安全を保障するものではない」と発言しており、住民の避難計画も審査の対象外です。
特に川内原発については、地震や火山噴火への対策の不備が指摘され、周辺自治体の避難計画はきわめて不十分かつ実効性に乏しいものです。また、その避難計画に基づく住民の避難訓練も一度も行なわれていません。このような中で「適合」判断を下した原子力規制委員会、住民の安全を顧みず再稼働を進める九州電力、政府、鹿児島県及び薩摩川内市は、厳しくその責任が問われなければなりません。
全国の原発のうち、規制委員会が新基準を満たすと認めたのは、川内原発1・2号機の他、高浜3・4号機(注:高浜原発については、福井地裁が4月、再稼働を禁じる仮処分)や伊方原発3号機など計5機で、他に20機の審査が進められようとしています(福島原発事故を起こした東京電力の柏崎刈羽原発の審査も優先の方針)。
福島原発事故では、多くの人々が心身・財産に深刻で甚大な被害を受けたにも関わらず、事業者である東京電力、また原発を建設したメーカーはひとりとして刑事責任を問われていません。このような無責任体制が解決されないまま全国の原発の再稼働を行なえば、次の事故が起こりかねません。
「3.11」から4年、原発の「安全神話」は崩壊し、再生可能エネルギーの重要性が広く認識され、大量のエネルギーを消費する社会のあり方も見直されてきました。そして本日まですでに約2年間、日本社会は「原発ゼロ」状態を実践し続けてきました。しかし今回の再稼働は、新たな「安全神話」に基づき、福島原発事故の深刻な経験を無視し、これまでの社会の歩みを後退させるものです。
私たち緑の党は、科学的・合理的根拠や必要性、緊急性のないまま川内原発が再稼働されたことに対してあらためて強く抗議するとともに、原発ではなく、新たな再生可能エネルギーや効率的なエネルギー利用を進めることによって、地域分散型の経済を発展させることを目指します。
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