【声明】 「エネルギー基本計画」閣議決定に抗議-市民発・地域発の持続可能な…

   【声明】 「エネルギー基本計画」閣議決定に抗議
         -市民発・地域発の持続可能なエネルギー計画を

2014年4月13日
 緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 安倍内閣は4月11日、「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。
 この基本計画には、昨年12月に示された政府案に対するパブリックコメントもほとんど採用されず、内容も自民党の党内事情に配慮した若干の字句や数字の修正を除いてはほぼ原案通りのものとなりました。

 「3.11」を経験した日本社会のエネルギー基本計画は、これまでの政治や社会、経済のあり方を根本的に見直し、持続可能な地産地消のエネルギー政策を後押しするべきものでした(※1)。この計画の政府原案は、そうした観点は全く考慮されず、多くの団体や報道機関からも批判されていました。
 また、「3.11」以降、今もなお世論は「脱原発」が多くを占め、先に行なわれた東京都知事選では、脱原発を掲げた宇都宮・細川両氏ばかりでなく、当選した舛添知事も「脱原発」の立場を明言せざるを得ませんでした。
 しかし基本計画は、圧倒的な世論に背を向け、市民との対話によって政策を形成する努力をせず、原発を「ベースロード電源」と位置づけ、「安全」と「経済性」の神話にすがりつき、原子力規制委員会の「厳しい規制基準」などという虚構に基づいて再稼働を明記し、閣議決定という形で原発推進姿勢を最終的に明確にしました。

 民主主義、安心と安全、将来世代への危険や負担の軽減-社会の持続可能性へのあらゆる側面で、この基本計画はその逆の方向に向かっています。それは、安倍政権の強権的な政治姿勢と一体のものでもあります。

 私たちは、志をともにする多くの市民たちと協力して、政府に対してこの計画の撤回を強く求めます。
 また、再生可能エネルギーの拡大と分散型エネルギー、ネガワット(※2)、各地の市民の手によって進められる「市民発電所」などの提案と挑戦こそが、政府の基本計画と対抗する「オルタナティブなエネルギー計画」の大きな要素となると考えます。さらに、「より少なく消費し、より豊かに生きる社会」への議論を深めていくことが、持続可能な社会に向けて重要だと考えます。

 緑の党は、来年4月の統一自治体選挙に向けて、政府のエネルギー基本計画を押し返す、「市民発」「地域発」の民主的なエネルギー計画を重要な政策争点として打ち出し、持続可能な地域社会像、緑の理念と政策を示していきます。

※1:【緑の党運営委員会声明】 2013年12月14日 「エネルギー基本計画案」は撤回へ-再生可能エネルギーと「エネルギー・デモクラシー」で持続可能な社会の実現をhttps://greens.gr.jp/seimei/9529/

※2:https://greens.gr.jp/seisaku-list/5948/ 参照

 

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