【賛同】「放射線に関する教職員研修及び出前授業実施事業」への質問書

【賛同】「放射線に関する教職員研修及び出前授業実施事業」への質問書

緑の党は、「原子力資料情報室」と「地球救出アクション97」が3月26日の政府交渉で、文科省などに提出する文科省委託事業「放射線に関する教職員研修及び出前授業実施事業」に関する質問書に賛同しました。

 <質問書案より>

文部科学省が初等中等教育局一般会計の予算を使って行っている「放射線に関する教職員研修及び出前授業実施事業」の中止を求め、そして、文部科学省に放射線教育ではなく、子どもたちの未来に関わる「環境、気候・エネルギー教育」に取り組むことを求めます。

 財務省には、公教育にふさわしくない特定の偏った内容の教職員研修・出前授業であって、特定の事業者に継続して委託し、報告書の公開もなされない事業を取りやめるべきではないか、国の予算を作成する立場から検討を求めます。

文部科学省初等中等教育局は、2013年度から「放射線教育」事業を行ってきました。これは研究開発局の原子力・エネルギー教育支援事業(エネルギー・電源特別会計)を引き継ぐものです。その中には「放射線副読本」作成・送付事業と「放射線に関する教職員研修及び出前授業実施事業」が含まれています。前者は2013年度から4年間で終了し、後者は現在まで継続し、3000万円程度の予算が付けられ、外部に委託して執行されてきました。「放射線教育」事業には、初めの8年間は福島復興予算が使われ、福島復興のためとされていましたが、2021年度からは初等中等教育局の一般会計予算となっており目的に福島復興と科学的知識の習得・理解が並んでいます。「放射線教育」を無理に続けるこじつけのように見えます。

この委託事業「放射線に関する教職員研修及び出前授業実施事業」について、私たちは度々文部科学省に質問してきましたが、実施内容、方法、学校名、講師名、参加人数等の詳しい説明はなされず、事業報告書も示されませんでした。この事業の委託先は2017年度から2023年度まで変わらず、「公益財団法人日本科学技術振興財団(以下、「財団」」となっています。

「財団」では、事業を受託する以前から、独自に放射線出前授業などを行っており、2012年度より自主事業として放射線教育支援サイト“らでぃ”において、出前授業、教材貸出、教材開発コンテスト、授業実践コンテストなどを行っています。

 さて、「財団」のホームページにはこの文部科学省委託事業の案内が出てきますが、しかし、案内や申込書、内容は上記“らでぃ”の事業と渾然一体となっており、全国の学校教職員には誰の事業であるのか区別しがたいように見えます。しかも、どちらも、文部科学省の教育指導要領、放射線副読本等に従うと説明されています。

 このように、文部科学省と委託先の関係に疑念の持たれる事業は存続させるべきかどうか検討されるべきです。

私たちは、「放射線副読本」の内容に対しても批判を行っており、これまで何度も文部科学省と話し合いを行ってきました。私たちは偏った放射線や原子力教育ではなく、人類の未来のため、環境、気候・エネルギー全体を対象とし、子どもたちの自主性を重んじる教育を広い討論によって作り上げていくべきと考えています。