【報告】フランス緑の党パスカル・デュラン書記長来日、「日仏の脱原発の連携を」

フランス緑の党パスカル・デュラン書記長来日、「日仏の脱原発の連携を」

 脱原発世界会議(12/15-16)に来日したフランス緑の党(ヨーロッパエコロジー・緑の党)のパスカル・デュラン書記長が、12月21日に緑の党事務所(東京・高円寺)、26日には尼崎市役所に稲村和美市長を訪問し、それぞれ懇談の場を持ちました。

  パスカル・デュラン書記長  フランス緑の党書記長との懇談会、緑の党事務所にて
   2012.12,21 緑の党事務所にて

 フランスでは、今年、大統領選挙と下院(国民議会)選挙が行われましたが、デュラン氏いわく「悪いキャンペーン」の結果、大統領選は票を伸ばせず、下院選も目標に至らなかったとのこと。 しかし、緑の党は、大統領選の決選投票で協力した社会党オランド大統領のもとで、前書記長のセシル・デュプロ氏など2人が入閣し、その後の下院選は、小選挙区制のため、社会党との協力で18議席を得て、議会内会派に必要な15議席を初めて上回わっています。

 フランス社会党は原発推進の立場ですが、緑の党が連立政権に入る中で、現在75%の原発依存度を2025年までに50%に引き下げる政府方針を確定させたとのことです。 原発推進国であるフランスでも、市民意識は「脱原発」が多数派なのに、投票行動は経済など他の選択基準が優先するという,日本と同じ課題を抱えているとのことで、連携した取り組みの提案がありました。

 連携のためにも、参院選で議席を得て、日本にも緑の党を政党として登場させることが必要です。

 デュラン氏は、2009年に旧緑の党が環境市民運動との合同名簿で欧州議会選挙(比例代表制)で議席を大きく伸ばし、現在の「ヨーロッパエコロジー・緑の党」が結成される過程で、環境NGO側から推進し、緑の党に参加した中心メンバーのひとりです。

 既成政党とは異なる、緑の党としての組織運営の特徴についての意見交換も行いました。

 日本でも悩みの「連合か単独か」については、「理念を大切にする少数派としての政治姿勢」を確認しつつ「少しでも前に進むかどうかの選択」を常に考えることだとアドバイスがあり、また、「NGOから参加した自分が書記長を引き受けるにあたり、『敵は結束しているのに、私たちがバラバラでは勝つことはできない』と話した。結束に必要なのは『愛』だ」とも語られました。

<参考> フランス緑の党(ヨーロッパエコロジー・緑の党)
       http://eelv.fr/
      パスカル・デュラン氏(ウィキペディア)
       http://fr.wikipedia.org/wiki/Pascal_Durand

フランス緑の党書記長との懇談会、尼崎にてフランス緑の党書記長との記念写真_尼崎にて
 2012.12.26 尼崎市役所にて