【世界のみどり】ドイツは原発に戻らない!
【世界のみどり】ドイツは原発に戻らない!再エネ、すでに6割超!2030年までに道路の半分を歩行者・自転車用に!

5月24日、ドイツ緑の党系のシンクタンク「ハインリヒ・ベル財団」を迎えて、ドイツの脱原発事情・気候変動対策について聞く勉強会を、FoEジャパンの協力のもと開催しました。また、財団が高校生などを対象に行う枠組み「アクション・ウィーク」について報告され、次世代とエネルギー問題を議論する授業を日本の3つの大学で行ったことを聞きました。日本からは福島県郡山市の前市議・蛇石いくこさん(前市議)が、福島の現在を報告しました。
<脱原発のドイツ、原発回帰は右翼政党1党のみ>
報告者:マルティン・カストラネクさん(財団シュレスヴィヒホルシュタイン州支部設立メンバー)、ガブリエラ・シュルツェさん(アクション・ウィーク活動や難民支援活動等)
1986年のチェルノブイリ原発事故後、ドイツでは反原発運動が活発になり、SPD(社民党)と緑の党の赤緑連立政権が2000年に脱原発を合意。2010年にいったんメルケル政権が原発の運転延長に転じたが、2011年の福島原発事故をきっかけに、2022年までに完全に脱原発する計画を決定しました。実際には2023年に完了。現在、原発回帰を唱えるのは右翼政党AfDのみ。他のすべての政党も、電力会社も、原発に戻る気はないとのこと。コスト高や放射性廃棄物の問題が大きいからです。
<気候訴訟をきっかけに法改正、各州で分野ごとに具体的な気候対策が進行!>
報告者:ギルバート・ズィークマンヨーケンさん(バート・ブラムシュテット市議・副議長)
ドイツのフライデーズ・フォー・フューチャーの若者らが、2018年、ドイツの気候保護法が違憲だと国を提訴しました。2021年4月、連邦憲法裁判所の判決は法改正を2022年末までに行うよう命じました。2022年末どころか連邦議会は、たった2カ月後の2021年6月に判決通りに法改正し、8月に施行されました。
この法律にしたがって、各州の気候保護法ができ、それぞれの熱エネルギー計画と気候保護計画ができ、セクター横断的に具体的な施策が下記の例のように進行しています。
エネルギー分野:再エネがすでに6割以上。
産業分野:製鉄・コンクリートなどエネルギー多消費産業対策。
交通分野:2030年までに公共交通2倍・車トラックの3分の1をカーボンニュートラル・道の2分の1を自転車・歩行者用に。
《参考》【動画】ドイツの脱原発と気候対策 --ベル財団メンバーによる報告と意見交換