【世界のみどり】COP25 グローバル・グリーンズ参加者からの報告
グローバル・グリーンズから、昨年12月COP25に参加した各国緑の党のメンバーの報告が届きました。地球の気候危機に真剣に取り組み、一方で困難にぶつかりながらも他方で一定の成果を上げている報告をお読みください。
なお、下記の日本語訳は一部抜粋です。原文全文を読みたい方は、こちらまで。https://drive.google.com/file/d/1XDLRG1yL0EWYW6ITpIQ346CBkOOrJ5Yg/view
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グローバル・グリーンズ加盟のみなさん
気候危機との闘いを続けていくのは困難です。特にオーストラリアの酷い山火事を目の当たりしたときには。1つ良いニュースは、国際エネルギー機関(IEA)によると、二酸化炭素の排出は2019年は横ばいだったことです。私たちの目標は、努力をさらに続けて、2019年を排出のピークだったということにすることです。
COP25の成果は全体としてがっかりするものでした。また、各国が野心的な目標を提出すべき締切の2020年2月までにほとんどの国は提出できませんでした。
そんな中、グローバル・グリーンズは下記の2つのポイントを評価します。
- グローバル・グリーンズの夕食会:緑の党のメンバーが顔を合わせて繋がりをつくることができました。
- 緑の党は非常に強力なネットワークを持っています。5つ以上の国で大臣を輩出、政府の中のパワーバランス上重要な位置を占めています。大きな都市の市長など緑の波をつくる役割を果たしています。
これらの成果を活かして、今年のCOP26に向けて、a)英国およびスコットランド緑の党と議論、b)COP26に向けての調査活動スタッフを採用、C)今年一年は、重要なテーマを議論するウェブセミナーを企画します。
みなさんの意見やフィードバックをお寄せください。 さらに、個々の参加メンバーの報告をお読みください。
ケリー・ヤン(グローバル・グリーンズ代表)
エミー・タイラー(グローバル・グリーンズ事務局長)
エベリネ・フイテブロック ベルギー緑の党
“COP26はとても重要で、COP25マドリード会議より重要です。私たちは数か月前から準備を始めねばなりません。”
COP26は非常に重要で、マドリード(で開催されたCOP25)よりも重要になるでしょう。そのため、数か月前より準備を開始する必要があります。
COP26は、グラスゴーで開催されるので、スコットランドの環境保護主義者に迅速に連絡する必要があります。
また、COP26は、韓国で開催される我らがグローバル・グリーンズ大会の半年前になります。可能であれば、アジア太平洋緑の党連盟の代表者と協力するべきです。彼らとコミュニケーションを持ち、大会に反映することができるでしょう。
アダム・ガルバ ニジェール緑の党
“汚染の責任がある工業化国は、汚染していないのに傷つく国の適応策を支援しなければなりません。”
マダガスカルの環境及び持続的発展大臣であり、マダガスカルの緑の党党首であるジョルジュ・アレキサンドル氏のスピーチは、喝采をあびました。
彼はスピーチの中で、自国の気候変動による悪影響を強調した後、工業化国は、汚染の責任があるのだから、汚染に関わっていないのに傷つく国が災害に備える(気候変動に適応する)努力をする際に支援しなければならないと、繰り返し強調しました。
最後に、アレキサンドル大臣は、持続可能な発展のためのフランス語圏の研究所の支援のもと「国家適応計画」を発表し調印しました。
COP26はより重要になるでしょう。私たちの活動の認知とロビー活動を強化するために、早期に取り組み、すべての利害関係者と良好な関係を確保することが重要です。
ボディル・ヴァレロ スウェーデン緑の党
“すべてを解決するフリーサイズの策はありません。しかし良き政治とリーダーなら実行できます。エチオピアやガンビアが良い例です。”
私は、気候正義、特に貧困や女性の権利、人権との関連に注目して、今回のCOPでは連日4つか5つのセミナーに参加しました。どのセミナーも異なる方向の指摘があり、すべての問題を解決するフリーサイズの策などないと分かりました。それでも、多くの貧しい国々が、すでに気候変動を抑えるための「宿題」を終わらせていることを知りました。木を植えることから家族計画に至るまで。つまり、良き政治とリーダーがすでに多くを実行しているということです。短い期間でも変革できる良い例がエチオピアやガンビアです。
南スーダンの不満は、化石燃料の産出国は、自分たちではほとんど消費していないのに、もし原油生産を止められれば、労働者の90%が職を失い、収入を失うということです。貧困国は難しい状況になるのです。
多くのセミナーで出されたメッセージは、資金が最大の問題ということでした。国々が調査をし提供された資金を措置する段階になっても、それが人々にまで届かない問題です。大きな国連の組織や大規模なNGOで止まってしまうのです。これは以前からあり、さらにひどくなっているようです。
もう1つはっきり言えるのは、世界の指導者たちが最終的に合意するまで待っていられないということです。合意ができてもできなくても、私たちは、地元で地方で国家レベルで自立的に働くべきです。文書をいくつ作っても気候変動は止められません。止められるのは人間です。
ファビアノ・カルネヴァレ ブラジル緑の党
“今回のCOPは開催国が直前になって変更されたため市民団体はほとんど参加できなくなり、フォーラムの運営にも大きな影響がありました。”
COP25は残念なものになってしまいました。開催地の変更は大きな影響を及ぼしました。特に社会フォーラム、つまり市民団体の不在が大きく響きました。それでも最大級の気候変動デモにはとても勇気づけられました。
次のCOPにむけて活動計画をつくるべきだと思います。グローバル・グリーンズの政策や提言をいろいろな活動の中で推し進める努力を強化することができます。そのためにもCOP26のワーキンググループはできるだけ早く立ち上げて、行動プランを確定させましょう。
フロレント・マルセレッシ スペイン緑の党
次のCOPは、参加各国が野心的目標を引き上げつつ妥協点をさぐっていくためにとても大切な会議になります。それまでの約1年、私たちは運動を展開し、それぞれの政府に働きかけなければなりません。COP26の前には米国の大統領選挙がありますが、もしトランプが負ければ気候危機を巡る地政学的な景色が大きく変わり、COP26を新しい転換点にできるはずです。
“もしトランプが負ければ気候を巡る地政学が大きく変わり、COP26を新しい転換点にできます。”
COP26開催地スコットランド緑の党との協力が基本です。COP25は開催地がチリからスペインへ急遽変更されたため、活動準備や緑の仲間たちとの調整に掛けられる時間はほんの数週間しかありませんでした。スペイン緑の党はそれを成しとげましたが、容易ではありませんでした。COP26までは数ヶ月あるので、ロジスティクスや政治的観点からじっくり準備できます。とはいえ、すぐに準備に取りかかりましょう。