【世界のみどり】ウクライナ情勢について


ヨーロッパ緑の党では、情勢が急激に変化しているウクライナの情勢について、以下のようなコメントを発表しています。

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■ヨーロッパ緑の党:ウクライナ情勢について(2014年2月27日)
Ukraine
現地の情勢は流動的で、事態の悪化や武力衝突の潜在的危険がある。ヨーロッパ緑の党では、ウクライナの領土保全が平和な将来のために不可欠であり、領土の侵害を目的とするあらゆる行為はまったく容認できないことを確認している。

ヨーロッパ緑の党はEU各国の外相および外交職員に対して永続的平和に向けた最大限の努力をするように要請する。またロシア当局が誠意ある態度で対応することを期待する。

EU各国はウクライナの社会的、財政的、および経済的状況の安定に資するように共同の援助を行い、具体的な援助計画を国際的友好組織及び協同機関とともに策定し、ウクライナがエネルギー資源をロシアに依存している現状の緩和に向かうべきである。

ウクライナの市民自身が、国の将来を描き、EU加盟の是非について政策を決定できることが最重要である。

出典:
http://www.globalgreens.org/news/european-greens-situation-ukraine
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■解説

この問題に関して、ドイツ、フランスなどを中心としたヨーロッパ各国では、ロシアも巻き込んだ包括的な外交交渉テーブルを作ろうとしています。
今回の政変は、親露政権だったヤヌコビッチ氏に対し、親EUの一派が起こしたものという報道が多く見られます。

しかし、内政的な要因にも注意を払う必要があります。
それは、極度の政治腐敗です。
ヤヌコビッチ氏が逃亡した後、彼が住んでいた豪邸にあった「金のトイレ」や「プライベート動物園」など、在りし日のマルコス・元フィリピン大統領を彷彿とさせる蓄財ぶりが注目されました。

ヤヌコビッチ政権に対するウクライナ市民の不満の爆発は、親露路線に対するものというより、その腐敗ぶりに対して起こったとする見方は、一定の説得力があります。
その意味では、新政権の頭目とみなされているティモシェンコ氏にも大規模な汚職の話があり、新政権に移行したからといってウクライナの将来は楽観視できません。
そこに、ロシアとEUの「さやあて」が加わり、さらにロシアのクリミア介入が状況を複雑化させています。

分かっているだけでも約100人の犠牲者を出し、それ以上の多くの負傷者を出した今回の政変は、まだ流動的要素が多く残されています。
ヨーロッパ緑の党が、この問題に関して、リーダーシップを発揮してウクライナの平和構築に貢献することを願ってやみません。
 
緑の党国際部長:足立力也