【報告】12/20福島原発事故自主避難者の声を聴くお話し会
緑の党グリーンズジャパンは、福島原発事故による放射能被害からのリスク回避を最優先で暮らしを選択している家族に寄り添う「自主避難者の住宅支援を打ち切らないで!キャンペーン」を行なっています。
*キャンペーンサイトは→こちら
まずは、この問題の現状を共有するための第1弾企画として、12月20日夜、高円寺GRAINにて、いわき市からの自主避難者「K」さんのお話しを聞く会を開催しました。
幸せだった3.11以前のいわき市での暮らし、教員である夫を残しての母子避難、賠償金額による避難者同士の分断、子どもにかかるストレスと鼻血などの健康被害、避難先でのいじめ問題の複雑さ、国や福島県が公表しない汚染実態と「避難の権利」について、「戸別訪問」という名の、都職員による威圧的な「追い出し」、行政交渉や訴訟についてなど、スライドを多用した約1時間のプレゼンテーションと1時間の質疑応答では、さまざまな問題がとてもわかりやすく整理され、思いのこもった訴えが来場者を強く揺さぶりました。
原発事故の避難指示区域外から福島県外へ避難している方々(自主避難者)の総数は全国で約4万人。これらの方々に対して、これまで福島県は災害救助法を適用して住宅の無償提供を続けてきましたが、2017年3月末で、これを打ち切ることを決定しました。自主避難者のみなさんは、5年かけて馴染んだ避難先を離れ、福島に帰還するか、別の場所へ転居するかを迫られています。
東京都は県外避難先としては最大の自治体で、5000人強の自主避難者が都営住宅や民間のみなし仮設住宅、国家公務員住宅、雇用促進住宅などで暮らしています。母子避難や要介護、病気など働けない方も大勢いるなかでの住宅提供打ち切りは、特に家賃の高い東京などの首都圏で、避難者のみなさんに重くのしかかっています。
一方、横浜での原発避難いじめ問題をきっかけにメディアでの報道が増えるなど、この問題への関心は高まりつつあります。12月には新潟市、千代田区、川崎市、京都市などでも原発避難いじめ問題が発覚したり、文科省が全国の教育委員会にこの問題の実態調査をするように通知を出すなどの動きもみられました。また、各地の自治体議会が住宅支援の延長を国に求める意見書を提出するなどの動きも出ています。
今回のお話し会を開催した12月20日には、神奈川県議会で全会一致で住宅支援の延長を国に求める意見書が議決されたほか、小池都知事が内堀福島県知事との会談で「引き続きできるだけ多くの方々がお住まいいただけるような制度にしていきたい」と発言するなど、変化が表れています。また、翌日21日には山形県が職員公舎50戸の無償提供を発表しています。
阪神淡路大震災後の兵庫県では、市民の声に押されて20年に渡り、住宅支援の施策が継続されました。今、市民が声をあげることが決定的に重要です。
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12月23日には同様のお話会が横浜市でも開催され、100人の会場が満員になりました。このお話会には緑の党神奈川県本部も団体賛同し、開催のために尽力しました。
緑の党は今後も各地で自主避難者の置かれた窮状を周知すべく、世論喚起のための活動に取り組みつつ、自治体議会への働きかけなどに取り組んでいきます。
※緑の党のイベント・アクション報告では、通常撮影した動画などを公開していますが、今回のお話会はプライバシーへの配慮から録画内容の公開は行わない方針です。