【報告】5.31「福島原発告訴団」大集会で緑の党関係者が大活躍!
5・31「福島原発告訴団」大集会で緑の党関係者が大活躍!
(報告者:郡山昌也)
5月31日の午後に、日比谷野外音楽堂で、「福島原発事故の厳正な捜査と起訴を求める大集会」が開催されました。主催は、福島原発告訴団(団長:武藤類子さん)です。あの福島原発事故から2年2ケ月が経ちましたが、福島県内外の避難者はまだ約16万人もいます。集会では、「福島の原発事故は終わっていない」「福島の現状を知って欲しい」「福島の声を聞いて下さい」という心の叫びが伝えられました。
福島原発告訴団のHP http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
以下は、団長の武藤類子さんのメッセージです。「福島原発事故から2年が経ちました。しかし、福島の情況は、さらに過酷であります。止まらない放射能の放出、進まない除染、貯まり続ける汚染水、深刻な労働者被曝、持っていくところがない除染による放射性廃棄物、被曝地に住まざるを得ない人々、食品の流通や焼却による汚染の拡大、子どもたちの甲状腺の嚢胞や結節や癌、進まない正当な賠償、一円の予算もつかない被災者・子ども支援法、支援策の外に置かれる自主避難者、引きさかれる人々のつながりなどなど…原発事故が引き起こした被害の膨大さに、私たちは、立ちつくすばかりです。」(後略)
この間、政府は被災者や避難者に対して十分な賠償や生活保障、健康調査などを行ってきませんでした。まだメルトダウンした核燃料がどこにどんな状態であるのか、それを取り出すのに何年かかるかもわからない状態です。なのに政府は事故原因の真相を究明し、責任者の処分をするどころか、原発再稼動や海外輸出を積極的に進め、あろうことか6月に出す安倍政権の成長戦略で、原発の再稼働に向けて「政府一丸となって最大限取り組む」などという、まるで福島原発事故などはなかったかのような態度を取り続けています。
これで本当にいいのでしょうか?そもそも、福島原発事故は、54基もの原発を日本中に作ってきた自民党政権と通産省(当時)による国策と、天下りによる東京電力との癒着や監督省庁(電子力安全・保安院や原子力安全委員会)による杜撰な管理がもたらしたものです。これまでに、1万5千人を超える告訴人がこの関係者を告訴しましたが、検察庁は10万筆を超えた賛同の署名があってもなお、捜査を始めてはいません。
【被災当事者である予定候補者も発言】
この日の集会には、平日の開催にも関わらず、全国各地から合計で約1000人が参加。福島からはバス3台を仕立てて県内各地から多くの関係者が参加しました。武藤団長のあいさつの後に、弁護団の海渡雄一弁護士からこの訴訟の意味についての説明。そして福島県内からの参加者と、全国各地からの参加者(や避難生活者)による報告がありました。
緑の党からは、原発から10キロ以内の双葉郡富岡町に住んでいたことから水戸市への避難を余儀なくされた「原発難民」の木田節子さんや、小さい娘さんのために福島市から九州の佐賀県鳥栖市に自主避難している木村雄一さんのおふたり(参院選の予定候補者)も登壇。被災者を代表して発言しました。
木田さんは、これだけの甚大な被害をもたらし原発事故を起こしたのに、誰ひとりその責任を取っていないことの異常さを指摘。そして、東電や原子炉メーカー、自民党の政治家たちに対して、「私たちに謝罪して、被爆し続けている収束作業に関わっている若い人たちや、子どもたちを助けて下さい」と訴えました。木田さんの息子さんは、原発関連会社で働く被爆労働者でもあります。木村さんは、福島原発告訴団・九州を代表して発言。県外避難者が県内被災者を支援する、放射能汚染の少ない九州産野菜の無料発送支援を仲間たちと1年続けていること。九州での子どもたちの保養の受け入れ準備などを急いていること。自治体や国や電力会社は何もしてくれないことを知り、講演で訴えていることを報告。最後の手段として夏の参院選に挑戦することを伝えると、大きな拍手が起こりました。
最後は、福島市で脱原発運動に取り組む佐々木慶子さん(緑の党会員)によるシュプレヒコールで、「福島を見殺しにするな!」検察に早く「東電を起訴しろ!」と訴えました。最後に間に合った俳優の山本太郎さんや、作家の広瀬隆さんらも一緒に気勢をあげました。
【東京地検前と東電本社に要請を!】
次に告訴団の一行は、東京地方検察庁前に移動しました。地検前には新たな参加者も加わり、反対側の歩道も歩道橋も支援者で埋め尽くされました。弁護団の海渡雄一弁護士からは、福島では甲状腺に異常のある子どもが7人も見つかっていて、これは統計的に見ても異常に高い割合(約30倍)であり、業務上過失傷害に相当すること。ついては、検察庁に「東電に踏み込んで証拠を保全(強制捜査)」を迫っているという報告がありました。
告訴団長の武藤類子さんは、「私たちは、強制捜査、起訴されるまで、ここ地検前に何度でも来ます。諦めるわけにはいきません」と地検の建物に向って呼びかけました。そして、弁護士と武藤団長が地検に入り、要請書と追加の署名(10万筆超)を提出しました。最後に、参加者たちは「福島の叫びを聞け!」「地検は起訴せよ!」と書かれたプラカードを掲げて、「起訴激励」のためのシュプレヒコールをあげました。
【東電本社に直接の要請を】
最後に、告訴団の一行は東電本社に対する要請行動を行いました。参加者からは代表者10人だけが入口の手前のスペースに通されたので(建物の中に入れないという失礼な対応)、他の参加者たちは通り向かいの歩道などで見守りました。告訴団を代表して、郡山市議会議員の蛇石郁子さん(緑の党運営委員)が要請文を読み上げて、出てきた東電原子力センターの所長に手渡しました。そして、責任者は、本当に辛い想いをしている福島の人たちの苦しみを理解しているか?その声は届いているか?いつまでも私たちを無視しないで、と詰め寄りました。所長は、「警察の捜査には真摯に対応します」とコメントしました。
武藤類子さんの最後のあいさつです。「私たちは、経済や企業や国の名の下に、人々の犠牲を強いるこの国で繰り返される悲劇の歴史に、終止符を打とうとする者たちです。子どもたちや若い人たちへの責任果たすために力を合わせ、声をあげ続けていきましょう。命の叫びをあげ続けていきましょう。」これは、福島原発事故につながる水俣病、薬害エイズ、子宮頸がんワクチンなど、利潤を追求する大企業と政治、官僚の癒着による構造的な問題です。経済よりも「いのち」を優先する「緑の社会」への転換が求められています。
【IWJ】2013.5.31 福島の人々、東電に事故責任を求め涙の訴え―東京地検と東電に対し、要請書と署名を提出 ~福島原発告訴団 東京地検前「激励行動」/東電本社前「抗議行動」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/82468