【談話】 ドイツ緑の党の選挙結果を受けて
【談話】 ドイツ緑の党の選挙結果を受けて
2013年10月6日
緑の党共同代表 長谷川羽衣子
9月22日に行われたドイツ連邦議会選挙で、緑の党は残念ながら議席を少し減らしました。その要因として挙げられるのは、(1)福島原発事故後、「脱原発」という緑の党の主要政策を保守党に奪われたこと、(2)性の解放に関連する政治家の過去の発言が問題とされたこと、(3)さまざまな税・財政改革の提案が曲解され「増税政党」とみなされたこと、(4)菜食を推進する「ベジ・デイ」を提唱し、有権者から肉食を禁止するのかと誤解を受けたこと、などにあります。
ドイツ緑の党は結成当初から時代に先んじた革新的な思想と政策を打ち出してきました。脱原発や男女クォータ制などはすでに現在、他党にも採用される考え方になっています。今回誤解を受けたベジ・デイですが、これは動物の権利保護(動物福祉)を重視した一連の政策に関わるものです。実際、緑の党は家畜の飼育・屠殺のあり方について改革を進めてきており、今や動物の権利保護は欧州の政策の中でも主流化されつつあります。また緑の党が提案した財政改革は、環境を破壊する補助金を精査したもので、専門家からは高く評価されましたが、一般の人々には充分に理解されるに至りませんでした。今回の選挙の結果を受けて、緑の党では世代交代が進んでいます。より分かりやすい政策の打ち出し方、それでいて革新的な党の在り方を模索してゆくことでしょう。
今回のドイツ連邦議会選挙は、党の理念や政策を分かりやすく、正しく伝えることがいかに難しいかを実感する結果でした。私たち日本の緑の党も、革新的かつ現実的な政策を提案し、分かりやすくその内容を伝えられるように励んで行きます。
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参照:【世界のみどり】 ドイツ緑の党 総選挙の結果を受け世代交代へ
総領事カールステンさんと 領事イェーガーさん(左)とパートナーのリオネルさん(右)と
10月5日ドイツ統一記念日レセプションにて
イェーガーさんは緑の党の党員で、今回緑の党が議席を減らした理由を詳しく分析して下さいました。