【声明】米国による赤根智子ICC所長らへの制裁に抗議し、日本政府に毅然とした対応を求めます

【声明】米国による赤根智子ICC所長らへの制裁に抗議し、日本政府に毅然とした対応を求めます

2026年 8月 26日
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会

2026年8月18日、米国政府は、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長と、セネガル出身のアブドゥライ・セイエ上級検察官を制裁対象に指定しました。国際司法機関の職務に携わる者に対し、その司法活動を理由として経済制裁を科すことは、ICCの独立性と国際的な法の支配を脅かすものです。私たちは今回の制裁に強く抗議し、その撤回を求めます。

ICCの捜査・訴追や司法判断に対し、米国政府が異論を表明し、批判すること自体は妨げられません。しかし、裁判官や職員個人を制裁対象とし、経済的な圧力を加えることは、司法判断に対する正当な批判の範囲を超えており、法の独立という民主主義の基本原則そのものを脅かすものです。ICCも今回の措置を、裁判所の独立に対する攻撃であるとして強く拒絶しています。

今回の米国の不当な措置を許せば、国家にとって不都合な捜査や司法判断を行った国際司法機関の関係者に圧力を加えることを容認し、国際刑事司法全体を萎縮させかねません。ICCは、ジェノサイド、人道に対する犯罪、戦争犯罪などの重大な国際犯罪を対象とし、国内の司法機関が捜査・訴追する意思または能力を欠く場合に、その役割を補完する常設の国際刑事裁判所です。行為者の地位や権力にかかわらず法に基づいて責任を問い、被害者の尊厳を守り、不処罰を許さない仕組みは、国際社会にとって欠かせません。

それにもかかわらず、当初、高市首相は今回の措置を「残念」と述べ、傍観者のような立場を示すにとどまりました。首相は各方面からの批判を受け、25日、「(米国の措置は日本の立場と)相いれない」と発言を修正しましたが、制裁への明確な反対や撤回要求を未だ示していません。日本政府は、法の支配を損なう行為を放置せず、他のICC加盟国とも連携し、ICCの独立と赤根氏を支持・支援すべきです(※1)。また、米国と「同盟」関係を維持する各国政府との連携も図るべきです。

私たち緑の党の国際組織であるグローバル・グリーンズの憲章は、「エコロジカルな知恵」「「社会的公正・正義」「参加民主主義」「非暴力・平和」など六つの原則を掲げています。ICCの独立性を守ることは、これらの原則に深く関わり、憲章においてもICCへの支持を明記するとともに、紛争下の性暴力や環境犯罪についても国際的に責任を問うことを掲げています。戦争がもたらす人命、人権、生活基盤、自然環境への破壊を放置しないことは、私たちがめざす緑の政治の重要な使命です。

私たちは、法の支配を回復し、人間と環境が尊重される世界を実現するため、米国政府に対し、赤根所長らへの制裁を直ちに撤回するよう求めます。また、日本政府に対し、米国に制裁撤回を明確に求め、ICC締約国と連携してその独立性と国際刑事司法を守るために行動するよう強く求めます。

※註
1) オランダはICC所在地国として、今回もICCへの支持を表明し、赤根氏を招いて支援を協議している。

声明全文(pdf)→ https://greens.gr.jp/uploads/2026/08/S_ICC.pdf