【論説】令和8年熊本地震を受けてー人びとの「生存の確保」を優先し、川内原発の即時停止を

【論説】令和8年熊本地震を受けて-人びとの「生存の確保」を優先し、川内原発の即時停止を
2026年8月19日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
7月28日に発生した令和8年熊本地震による犠牲者に心よりお悔み申し上げます。そして酷暑のなかで避難生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げるとともに、被災地で支援にあたっておられる方々に敬意を表します。
■防衛費拡大ではなく人間の生存の確保を
10年前の熊本地震の際、避難所は、その多くが雑魚寝を強いられ、トイレやキッチンが使えない等、スフィア基準からかけ離れて過酷だったことが問題となりました。この間、避難所運営ガイドラインが整備され、今回の地震では、段ボールベッド、パーティション、福祉避難所などが普及したものの、1人当たりの空間、プライバシーなどではまだ改善が不十分で、母子避難所も8月になってようやく氷川町の1か所でのみ開設されました。また、熊本に限らず、どこの地域でも、夏の災害では酷暑の中、過酷な避難生活を強いられる可能性があります。気候変動の防止はもとより、省エネ対策を十分行なったうえでの適応策(空調設備の充実など)も重要です。「強く豊かな国」を掲げて防衛費を増強する以上に、現実に頻繁に発生する災害において人間の生存を確保することこそ、この社会に求められている安全保障政策です。
■断層の「割れ残り」近傍の老朽原発-川内原発2基の即時停止を

10年前の熊本地震では、布田川断層帯と日奈久断層帯の一部が動き、今回7月28日の地震はさらに南で発生しました。今回の地震で動いた日奈久断層の南側の八代海区間に割れ残りの部分があり、今後大きな地震と津波を起こす可能性があることを複数の地震学者が指摘しています(※1)。
今回動いた日奈久断層の八代海区間は「割れ残り」でまだ動いておらず、いつ動くかについての断定はできないものの、マグニチュード最大7.5の地震、津波が起こるとされています。この八代海区間には出水断層帯と甑断層帯が隣接しており、熊本地震で影響を受けて動きやすくなっている可能性もあります。そして、この2つの断層帯の間に位置するのが川内原発です。(上図参照)
川内原発は1号機が1984年7月、2号機が1985年11月に運転を開始し、2基とも運転から40年が経った老朽原発です。専門家の指摘の通り、日奈久断層帯の八代海区間、出水断層帯、あるいは甑断層帯で巨大な地震と津波が起こると、東電福島第一原発のような過酷事故が起きる可能性が高まります。2011年の東電福島第一原発事故時、広範囲にわたって、大気中にも海洋にも放射能汚染がおよび、農産物や海産物も汚染されました。
この地震による被災、気候変動による酷暑という二重の過酷な状況のなかで、原発事故による放射能汚染の被害となる三重の被害を発生させないために、緑の党グリーンズジャパンは、10年前の熊本地震でも提言したとおり(※2)、川内原発の即時停止を求めます。
九州地域は日照条件が良好で太陽光発電設備の導入が特に多い地域であり、晴天の昼間は電気が余るため出力抑制が全国で最も頻繁に行われています(※3)。老朽化した川内原発1・2号機を即座に停止し、豊富な再エネを活用した小規模分散型のエネルギー体制を整備し、今後の「割れ残り」による地震への対策を兼ねた復興を目指すべきです。
※註
1)今後の「割れ残り」リスクに関する指摘
- 「日奈久断層帯の"割れ残り"がすべて解消されたわけではない」熊本地震 宮崎県内での今後の 注意点は? 専門家に聞く (MRT宮崎放送 2026年7月29日)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/2836446?display=1 - 熊本地震 日奈久断層帯に最大40キロの「割れ残り」可能性 鹿児島県内で津波おそれも…京大・西村教授に聞く今後の備え (MBC南日本放送 2026年8月4日(火))
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mbc/2850978?display=1 - 日奈久断層帯「割れ残り」のリスクも…現地調査に同行 専門家が見る警戒ポイントは【令和8年熊本地震】 (FNNプライムオンライン 2026年08月08日)
https://tenki.jp/news/fnn/b8abbbdf-2716-4621-93c0-46ab4e67e7a8.html
2)【声明】九州一帯での地震の連動に備え、川内原発の即時停止と周辺原発の安全管理を!
https://greens.gr.jp/seimei/17101/
3)「出力抑制が日本各地で増加 電力供給ルールとネガティブ・プライスが解決策」
(自然エネルギー財団レポート 2024年4月11日)
https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20240411.php


