【声明】歯止めなき「インテリジェンス」改革-国家情報会議設置法に抗議します

【声明】歯止めなき「インテリジェンス」改革-国家情報会議設置法に抗議します

2026年6月4日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

「国家情報会議」設置法は27日、参院本会議で自民党、日本維新の会に加え、国民民主・公明・参政などの賛成多数で可決・成立しました。政府は7月にも事務局となる国家情報局を立ち上げる見通しで、さらにインテリジェンス「改革」に向け、「外国勢力による諜報活動」などを取り締まる「スパイ防止関連法」や独立した諜報機関「対外情報庁(仮称)」の創設に向けた議論を本格化させる方針です。

情報機関を持つ諸国では、情報機関による人権侵害の歴史を踏まえて、独立した外部機関を設けて監視させるなど、政府に対する民主的コントロールに留意しています(※1)。ところが今回の法律では、そうした歯止めもありません。「国会への適時適切な説明」という付帯決議はあるものの、実効性は疑問で、独立した国会監督委員会も設けられていません。

一定の歯止めの仕組みを持つ海外でも、2013年、米国のエドワード・スノーデン氏の告発で、国家安全保障局が電話記録やインターネット通信を大規模収集していたことが明らかになっています。テロ対策を目的としながら、実際には一般市民の通信データも大量に蓄積されていました。英国でも、警察・情報部門で、長期間にわたり覆面捜査官が市民団体や労働運動へ潜入していたことも発覚しています。

監督機関なき情報機関が、市民の権利を大きく侵害することは、国内外の歴史が証明しています。それに加え、日本では、「インテリジェンス」分野であるかどうかを問わず、これまでも、イラクや南スーダンの自衛隊日報問題、あるいは森友学園や「桜を見る会」問題など、情報が政権の恣意的な判断や運用によって不適切・不公正に取り扱われて来たという重大な問題があります。このような政府の下では、情報機関が人権を軽視して独走・暴走し、政権や与党政治家がそれを後押しする可能性さえ高いと言わざるを得ません(※2)。

「安全」保障の基盤は、市民の権利の保障です。今回の法律は、その基盤を損なうことが明らかです。私たち緑の党グリーンズジャパンは、市民や立憲野党の皆さんと共に、人権を守る立場から、これらの一連の法律の廃止・見直しを強く求めていきます。

※註

1:米国では上院情報特別委員会や下院情報特別委員会、英国ではIntelligence and Security Committee (ISC)、ドイツでは議会監督委員会など、「機密情報にアクセスできる超党派議会委員会」がある。これらは、情報機関予算の監査、秘密作戦の事後検証、違法監視の調査、幹部の証言要求などを行なう。

 さらに、通信傍受・ハッキング・データ収集を監督するInvestigatory Powers Commissioner(英国)、ほぼすべての情報機関活動を監査するNSIRA(カナダ)など、外部監督機関が設けられている場合もある。米国のFISA裁判所や英国の司法承認制度のような、通信傍受や監視を裁判所が事前に審査する制度もある。

2:5月27日の参議院内閣委員会で立憲民主党の塩村あやか議員の指摘を報道した記事を参照。https://news.yahoo.co.jp/articles/297d8599a70c509181b9e1ec9fb550493dc9a071 

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