【世界のみどり】韓国緑の党が再結成!10/11-14訪韓レポート-長谷川羽衣子
■韓国緑の党が再結成!
2012年10月13日、韓国緑の党(Green Party of Korea, GPK)の再結成式が有機農業で有名なソウル近郊のホンソン郡で行われ、これを祝うため、台湾緑の党からは日本でもおなじみの藩翰聲(Pan Han-Shen)さんが、そして日本緑の党からは私・長谷川羽衣子が参加しました。
秋晴れの空の下、収穫間際の稲田が広がる田園地帯で行われた結成式は、17の行政区画の内11区画に存在する韓国各地の緑のグループが参加し、規約や組織の在り方についての活発な議論が行われました。共同運営委員長には、ハ・スンスさん(新任、男性)とイ・ヒョンジュさん(留任、女性)が承認され、同時に共同政策委員長なども承認されました。
■韓国でも高い、政党の新規参入の壁
韓国緑の党は日本の福島原発事故を受けて2012年3月4日に結成され、4月の国政選挙に挑戦しましたが、残念ながら当選者を出すことはできませんでした。
韓国の選挙制度では、2%の得票率が得られなければ解散を命じられ、さらに同じ政党名を使うことも禁じられています。この法律を受け、韓国緑の党は今回書類上のみ、「韓国緑の党+(Green Party of Korea Plus)」として再結成し、この法律を改正して再び「韓国緑の党」に戻ることを誓いました。
■若い力によって創られた韓国 緑の党
韓国緑の党の会員は5000人、その内女性が50%以上、さらにソウル市の会員は35歳以下が42%を占めるなど、女性や若手の会員が多く活動も非常に活発です。再結成式も事務局を3、40代が、当日の司会進行などはユースが担っていました。 また、高校生から小学生まで、ユースよりもさらに若い世代が太鼓の演奏などを披露し、大きな拍手と歓声を受けていました。
議論は活発でしたが、非常に和気藹藹としていて、楽しい再結成式でした。
お祝いのスピーチで、私の夫が在日韓国人の3世であり、日本に渡ってきた70年前のままの形式でお正月・お盆などの祭事を行っていることを話すと、どよめきと共に大きな拍手を頂きました。そして、韓国と日本、そして台湾の緑が協力し合い、平和で持続可能な東アジアを実現しようと呼びかけると、大きな賛同の声が上がりました。
■小さな、しかし希望に満ちた一歩を踏み出した韓国・台湾・日本の緑
結成の前日には、ソガン大学でシンポジウムが開催され、韓国緑の党のメンバーと同大学の研究者・学生を前に、韓・台・日の原発・エネルギー問題と緑の党の現状をそれぞれ報告しました。
日本緑の党のエネルギー政策に取り入れた「ネガワット(節電所)」に対して関心が高く、多数の質問が寄せられました。
シンポジウムの後、大学のカフェで台湾・日本と韓国緑の党の若手メンバーで、エネルギー、選挙制度、そして領土問題に関する意見交換を行いました。
そして、今後互いの知識やアイデア、そして認識を共有するため、
①情報をWeb上で共有する場をつくる、
②共同研究を行う、
③交換研修を行う、
などの提案が出され、今後メール等で実現に向けて話し合おうということになりました。
また、領土問題に関しては、APGNなどで緑共通のルールをつくってはどうか、という意見が出ていました。
今回の交流を通じて、原発のない平和で持続可能な社会を実現するための、小さな、しかし希望を持てる一歩を、韓国・台湾・日本の緑は共に踏み出したと感じました。