【談話】ドイツでの「脱原発」実現を受けて

【談話】ドイツでの「脱原発」実現を受けて

2023年4月15日
緑の党グリーンズジャパン
共同代表 中山均

ドイツでは、2011年3月、日本の福島原発事故を受け、当時のメルケル政権が2022年末までの「脱原発」を決定し、17基あった原発を順次停止させ、同時に再生可能エネルギーの拡大を飛躍的に進めてきました。ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー不足の中、停止は一時的に延長されていましたが、本日(4月15日)、稼働中の最後の原発3基がついに停止に至りました。核の最終処分や廃炉、ドイツの電力網もつながる欧州全体の脱原発など、まだ多くの課題がありますが、「先進国」のひとつである同国で「脱原発」がついに実現したことは、きわめて大きな意義があります。

一方、原発事故を起こした日本では、岸田政権がウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰や「脱炭素」を理由にGX(グリーントランスフォーメーション)を掲げ、原発産業の保護・育成、原発の新増設・再稼働を推し進めようとしています。12年前の原発事故は環境を広く汚染し、地域や家族を分断し、今なお多くの避難者・被災者が深刻な暮らしを余儀されています。私たちは、原発を推進する政府方針にあらためて強く抗議します。

ドイツの脱原発実現には、緑の党の政治的登場と政権与党時の政策が大きな役割を果たし、「倫理委員会」やそれを媒介にした開かれた市民の議論を通した世論の高まりがそれを後押ししました。ドイツの仲間たちの奮闘にも学びながら、私たちは今日、日本の脱原発の実現と気候危機対策の推進に向けた決意をあらたにします。

PDFファイル:https://greens.gr.jp/uploads/2023/04/danwa_doitsu.pdf